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【英論抄読】トイレ自立は、脳卒中患者の歩行自立を予測する

📖 文献情報 と 抄録和訳

脳卒中患者の退院時歩行自立度に関する臨床的予測ルールの開発。決定木アルゴリズムによる解析

Inoue Y, Imura T, Tanaka R, Matsuba J, Harada K. Developing a Clinical Prediction Rule for Gait Independence at Discharge in Patients with Stroke: A Decision-Tree Algorithm Analysis. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2022 Mar 16;31(6):106441.

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DOI, PubMed

📚 概要

[目的]
脳卒中患者の退院時歩行自立度について,決定木アルゴリズムを用いた臨床予測ルール(CPR)を開発し,リハビリテーション病棟入院時のCPRの有用性を検討する.

[方法]
急性期以降の脳卒中患者181名を対象とした。10重クロスバリデーションを用いたカイ二乗自動交互作用検出解析法を用いて,入院時に入手しやすいデータを用いたCPR 1と入院1か月後に入手しやすいデータを用いたCPR 2を作成し,退院時歩行自立度の予測に使用した.

[結果]
トイレの自立度を最初のノードとして抽出し,退院時の歩行自立度を予測するCPRを2つ作成した.CPR1にはせん妄の有無が含まれた。CPR2には問題解決能力が含まれた。CPR1の精度は84.5%、曲線下面積は0.911、CPR2の精度は89.0%、曲線下面積は0.958であった。

[結論]
トイレの自立は,脳卒中患者の急性期退院に向けた歩行の自立を予測する上で重要な因子である.急性期において,せん妄や認知機能低下,排泄への早期介入は,退院時の歩行自立の可能性を高めると考えられる.

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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共にトイレ動作が最初の因子として抽出されたことが面白いと思った。考察にも書かれているが、トイレ動作には方向転換、下衣操作による立位バランスなどどいった様々な側面が含まれている。「トイレ動作=歩行」と0-1で考えてしまうとピンとこないが、「トイレ動作のどこが、歩行とリンクしているか」と考えていくと、日々観察できるトイレ動作から歩行の予測、もしくは介入方法の検討ができるだろう。

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