【英論抄読】野球選手に対する、最強のパフォーマンス評価
▼ 文献情報 と 抄録和訳
NCAA Division III 大学野球選手のバットスイング、打球、投球速度とメディシンボール回転投球速度の関連性
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[背景]
これまでの研究では、野球のバッティングやピッチングと、回転メディスンボール投げ速度(RMBTV)(横平面)、横から内側へのホップによる距離(前頭平面)、両脚立ち幅跳びによる距離(矢状面)などの全身パワーテストとの関係が評価されてきた。しかし、3つの全身パワーテストを同一研究において評価し、バットスイング速度や投球速度との関係を明らかにした報告はない。本研究の目的は、大学野球選手におけるバットスイング速度、打球速度、投球速度と2足立ち幅跳び飛距離、横・内側跳び飛距離、RMBTV全身パワーテストとの相関関係の強さを明らかにすることであった。
[方法]
NCAA Division III の 35 名の選手(投手 15 名、打者 23 名、投手と他のポジションを担当した選手 3 名)がこの研究に参加した。統計的有意性を示すα値として、p<0.05を選択した。
[結果]
バットスイング速度とRMBTVの間に中程度の関係が観察され(r = 0.65, p = 0.003)、分散の39%を説明し、投球速度とRMBTVの間には(r = 0.62, p = 0.02)分散の38%を説明している。打球速度とRMBTVの間にも中程度の相関が認められ(r = 0.53, p = 0.02)、分散の28%を説明した。RMBTV全身パワーテストのみが、バットスイング速度、打撃野球速度、投球速度と有意な関係を示した。両足立ち幅跳び(距離)、横跳び(距離)全身パワーテストでは、バットスイング速度、投球速度との有意な関係は確認されず、両足立ち幅跳び(距離)、横跳び(距離)全身パワーテストでは、バットスイング速度、投球速度と有意な関係は確認されなかった。
[結論]
さらなる研究では、RMBTV運動で培われた協調性が、反復的でタイミングの悪い下肢-体幹-上肢の連続した全身運動に関連する野球肩や肘の怪我を減らすことができるかどうかを評価する必要がある。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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スイング速度、投球速度、共に回転メディスンボール投げ速度で評価できる、というところが面白い。評価であると共に、介入としても有用だろう。
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