見出し画像

起立性調節障害に負けないために⑤ "面接ではない面接"編

こんにちは!隣の芝生です。今回は「起立性調節障害」を題材にした連載5回目となります。

初回と前回のリンクを掲載しておきますので、まだお読みでない方はこちらからどうぞ!

今回の目次は以下のとおりです。



第11章 問診面接

 病気休学した者を待ち受けるのが「問診面接」です。これは私が勝手に命名した物ですが、数十社受験して20%~30%くらいはこれに該当します。

 どういうタイプかと申し上げると、その名もズバリ、医者からの問診のような質問だけで、面接が終了するパターンです。いわば面接が面接ではないパターンです。

 これは、高校卒業年を1年早めて、大学受験で"浪人"という体で、虚偽の記載してしまえば解決する問題なのですが、私は例によって「一切の経歴詐称はいけない」と真面目に考えていましたので、最初は正直に受験を"してしまいました"。

 具体的な問診面接は以下のような流れになっています。

 まずは、面接官による「あれ… 君は高校入学年がxx年で卒業年がXX年なの? なんかあった?」みたいな軽い切り込みから始まります。意図してやっているのか、意図せず自然と気付いているのかは私には判断付きませんが、だいたいこの一言が開戦の合図。

 これについては、あまり病状を重く見られても不利になるだけですし、現在は就労に支障がない範囲に収まっているので、経緯だけを掻い摘んで説明して差し上げます。その後には必ず「現在は寛解しております」や、「そんな中で勉強や自己研鑽、日々の講義に注力して頑張ってきました。御社でもこの力が活かせるのではないでしょうか」とアピールを忘れずに。ここで面接官のターンに。さぁ、何が聞かれるんだ。


「で、隣の芝生さんのいまの症状はいかがでしょう」

「いつ頃から始まっていつ寛解したんですか」

「それはどのあたりが痛むのですか」

 一向にこの話題から離れようとしません。ならばこちらも誠心誠意伝えるしか無い。「重ねて申し上げますが現在は寛解しております」「中2か中3のあたりから、高1あたりまでがピークでしたね」「"当時は"頭痛や吐き気、めまいなど大変でした」などと、聞かれたことに対しては丁寧にお答えするのですが、他にも似たような質問が次々飛んでくる。そうこうしてるうちに、逆質問も設けられずにタイムオーバーといったような展開が常です。

 また、「いつ頃から始まった」「いつ頃に収まった」に物凄い執着される面接官の方も、ごく少数ですがいらっしゃります。私の症状は、過去回にも申し上げた通り、中2の末か中3の頭あたりから徐々に出始め、中3の途中で完全に通えなくなったため、途中の期間の症状の強さは「グラデーションの濃淡」で表現するしかないのです。

 しかし、時期にやたら執着する面接官は、「何年何月から」「何年何月まで」のように質問攻めし、グラデーションの幅の関係で少しでも計算が合わないと、「それって2ヶ月くらい計算合いませんよね」のように突っかかってくるのです。ただ落としたいだけなら、先に「君落とす!!」くらい宣言して早く返してくれた方がお互いのためなのにね。

11-2 めんせつかん は こんらん している!

 これは余談ですが、面接官の方の中には、きちんと現役入学・ストレート卒業している大学の年数にも、悪意なく疑いの目を向ける方もいらっしゃりました。

 バグっている高校の年数を見て露骨に目が泳ぎ、「あれ… 大学はXX年から4年… え? 合ってるかな。あれ?」と言いながら、混乱状態のまま面接を続行しているので、向こうが内容に身が入っていません。百戦錬磨の面接官が、単純な四則演算でこんなに焦ってるのはなかなかお目に掛かれない。

 おまけに、逆に高校の4年と大学の4年間の両方を「触れちゃいけないもの」として変に配慮してくださったのか、そこを完全に避けてくれるんですよね。

 ただ、そうすると、面接官ご本人すら聞いてる途中で歯切れが悪くなるような急ごしらえの謎の質問が増えるので、非常にこちらもやりにくい。1:1面接なんだから、あなただけが頼りなんです。本当に頼みますよ。


第12章 そのアピールは本当に正しいのか

 ここからは、起立性調節障害(及びその他のマイナーな病気の経験者)の方が就活に取り組む上で、注意しなければならないことについて、お話したいと思います。

 これはかなりの数の面接をこなしてから気付いたことですが、大前提として、面接官の方々は、この病気の特性や症状についてよくご存知ありません

 また、限られた時間内に学生側で全て説明するのも、なかなか難しいことだと思います。現に、症状と経緯をテキストでご説明するだけで、第1章からこれだけの尺を割いています。私の文章に冗長が多いとは思いますが、齟齬なく面接官にお伝えするには、どんなに綺麗に纏めても、確実に半分の量は必要です。

 おまけに、面接官サイドに立てば、健康で優秀な学生さんは他にゴロゴロといらっしゃります。いくら現在は健康体だとアピールされたとて、わざわざ病歴がある人を取る理由がありません。

 そんなことないよ。と思われるかも知れませんが、仮に横並びで同じ大学・同じガクチカ・同じ資格を持っている人がいたら、あなたは元気な方を採りませんか?そういうことです。人事の方も無用な採用責任は避けたいでしょうからね。ガクチカは「再現性のある行動特性を推せ」なんてよく言いますが、採用した人間の病気に"再現性"なんてあったらシャレにならないです。

 …ただ、その現実を踏まえたとしても、これで企業側が対外的に募集を掛ける際は「社員みなが元気な健康経営」「誰もが働きやすい勤務環境」などと謳われると、夢を持って受験する身として正直ガッカリするところはあります。そりゃあ元気な人しか採らなければ、「健康経営」もさぞやりやすいでしょう。


12-2 敢えて厳しいことを言おう

 起立性調節障害やその他の病気を経験されて、これから就職活動に挑もうとする方の中には、「病気から頑張って復帰したことを、熱を込めて話せば、根性があって真面目なやつだと思ってくれるだろう!」と考えてる方もいらっしゃると思いますが、現実はそう上手くは行かないです。

 病気をしない・その会社で働く上で十分な学歴や資格を備えているという条件は、必要最低限のスタートラインなのです。中高時代から団体競技の部活などで経験を積んで、大学では勉強は程々に、ゼミやバイト・ボランティアにサークル活動で活躍した者が、真に評価されます。
 
 正直言ってGPA(大学の通信簿みたいなものです)や評定がいくらあろうが、あまり関係はないのです。何なら資格についても、難易度や専門性が高い士師業系などを除いて、会社の方向性と合わなければ基本的に評価はされません。


あとがき・次回予告

 最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。いいね・コメント・フォローもよろしくお願いいたします。励みになります。

 最近、久し振りに、きちんとしたエゴグラム式性格検査※の本を開いて結果を出してみたのですが、AAACAの感情埋没型と出てしまいました。どうやら人生を全く楽しんでおらず、全て使命感と義務感で動いているタイプらしいです。職業適性も広いとお墨付き(なんで無職なんだよ)。この連載が終わったらもう少しフリーダムに、様々な題材を取り扱いたいと思います。

※ザックリと厳格さ・寛容さ・客観性・活発さ・臆病さの5項目。この場合は活発さが大きく欠けている。

 
 2023.11末 追記:起立性調節障害の連載の②と③だけ、更新終了から②ヶ月近く経った後も閲覧が伸びております。私の預かり知らぬところで多少話題になっているのでしょうか。是非①~⑧を通しでよろしくお願いします。

↑前回記事↑
↓次回記事(2023.10.07 更新!)↓


この記事が参加している募集

就活体験記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?