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ギブミー椎名林檎のワードセンス 〜不毛な会話に革命を〜

 教習所でエンストしました。こんばんは、コーシです。

 世知辛い世の中を生き抜くにおいて、言葉に関する能力というものは人生を豊かにする一つの要素であると深く感じています。言葉に関する能力が低ければ、伝わる感情や事柄も伝わりません。故に私は日常的に自分の感情に似合った言葉使いを探すことを心がけています。
 
 そんな中で、”ニュアンス” の使い方とは非常に困難なものであると気がついたのが最近のこと。まぁ皆さんも一度は感じたことがあると思います。特に文面では発音や身振り手振りから伝わる感情を表現することが困難であるため、より慎重に文章を綴ることになると思います。この”ニュアンス” を操る天才だと感じるのが私が愛してやまない椎名林檎さんです。

 今日は真面目に書いてますね。珍しいです。椎名林檎さんの名前を挙げることによる緊張感はすごいです。

 私の好きな歌詞を例に挙げさせていただきます。椎名林檎さんのデビューシングル、「幸福論」からの一文です。

"私は君のメロディーやその哲学や言葉全てを守る為なら少し位する苦労もいとわないんです。”

 いやぁ、これ打ってる時のタイピングは私のタイピング史上、最も気持ちが良いタイピングでした。やべぇ。

 私が注目していただきたいのは鉤括弧で囲ってある「その」になります。

 秀逸とはこの「その」を指すのだと私は確信しています。

 もしかしたらメロディーに合わせて付けた程度で、特別な意味なんて無い可能性もあります。しかしこの2文字でこの一文の印象が大きく変わります。

 この「その」によって椎名林檎さんのガチ惚れ感が出ています。「その」と聞くと「具体的なものに対する指差し」のイメージが浮かびます。しかしメロディー、哲学、言葉、これらはいずれも抽象的なものであり、「指を指す」ようなものではありませんよね。しかしこの「その」によって「椎名林檎はあなたの哲学や言葉を完全に具体化し、理解している」と伝えられた上で、あなたのメロディーや哲学や言葉を "守るためには少しの苦労もいとわない” というニュアンスが出てきませんか。。。

 いやぁ、オタクが出ていますね。

 こんなこと言われたら間違いなくイチコロです。まじ言われてー。

 さて、分析も終わり、学びを得ました。ここからは自分ごとに落とし込み、何とかこの椎名林檎的ワードセンスを少しでも身につけたいと考えるワケです。ようやく、しそとツナ缶。らしくなってきました。

 椎名林檎的ワードセンスの何がカッコいいのか。要は「たった2文字で文章に感情を芽生えさせる」ことです。そのさりげなさと2文字に期待する雄大な世界観がかっこいいのでしょう。

 男子高校生の会話なんて不毛なものでしかありません。せっかくならそこに革命を起こしてやりましょう。

「次の授業って数学?めんどくせぇなぁ。俺は文系なのに。」

 私は見ての通り文系です。このセリフはおそらく5回くらい口にしたことがあるでしょう。さぁ、革命のお時間です。「2文字マジック」のお時間です。

 「次の授業って数学?めんどくせぇなぁ。俺はあの文系なのに。」

 。。。大概、理系か文系かの二択のところをわざわざ指示語を用いいることによる深みみたいなものを期待したのですが。ローランド的な雰囲気を醸し出す結果になりましたね。「どの文系?」となって終わりますね。もう一個いって見ましょう。

 「一口ちょうだい」

 高校生の彼ら彼女らはシェアよってハッピーになります。確かに美味しいものは共有したくなりますよね。さぁ、革命のお時間です。「2文字マジック」のお時間です。

 「その一口ちょうだい」

 意味が変わってしまった。ブッチューですねこれは。こんなキザな言葉を言っても違和感のない顔に生まれてみたかったです。

 というわけで、やはり椎名林檎さんのワードセンスはずば抜けています。

 目指せ、椎名林檎的文章。


コーシ しそとツナ缶。
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