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ものづくり

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ものづくりへの想いや産地との取り組み、舞台裏をご紹介。
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#テキスタイル

季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐

季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐

パラスパレスではこの秋、「秋間道」という格子柄のシャツをつくりました。

間道とは、ストライプやチェックの古い呼び名です。

鎌倉~桃山時代に異国から伝わった染織品を指し、茶道をたしなむ権力者に愛された裂のひとつ。

掛軸の表装や茶入れの仕覆として大切にされていました。

名物裂 めいぶつきれ
間道
金襴
緞子

を主流としたこれらの生地は名物裂として茶人の名を冠したものや、背景にちなんだ名前がつ

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「もったいない」を新しいかたちに。リネンのはぎれ。

「もったいない」を新しいかたちに。リネンのはぎれ。

2024年6月26日より、パラスパレス公式オンラインストアにて、リネンのはぎれの取り扱いがはじまります。

この生地の正体は……
パラスパレスは日本各地の産地と取り組み、糸や生地から独自企画をするファッションブランド。

オリジナルテキスタイルの服にならなかった裁断ロスや、試作の生地を、はぎれにしてお届けしています。

産地の方々と手塩にかけて作った生地。まだ使えるものだからこそ「もったいない」の

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夏のシャツはじめ

夏のシャツはじめ

それではシャツの旅、はじまりはじまり。

今回は「あべこべグレンチェック」にスポットをあててご紹介します。

◾️生地のデザイン

服つくりには、2つのパターンがあります
①生地からオリジナルで服をつくる
②生地屋さんが作った生地から服をつくる
今回のシャツは①のパターンです。
色、柄、どこにもないブランド独自のものができあがります。

ただしとっても時間がかかるので、考えはじめるのは半年以上前で

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プリント工場へ。冬牡丹柄ができるまで。

プリント工場へ。冬牡丹柄ができるまで。

じりじりと残暑きびしい9月のことです。

京都駅から車で走ること数十分。

右手に東寺、左手に伏見稲荷と観光名所を抜けて、一軒のプリント工場に到着しました。

そこは大本染工さんといって、パラスパレスのプリント生地作りを長年担って頂いている現場のひとつ。

工場では11月にお店に登場する「冬牡丹(ふゆぼたん)柄」を生産している真っ最中です。

プリントの様子をじっくり見せてもらうべく、パラスパレス

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羊、そのもの。タラヌイ牧場より。

羊、そのもの。タラヌイ牧場より。

羊の毛色=白?

実は、そんなことはありません。

人間と同じように、羊毛にも個性があるんです。

薄茶、茶、灰色、黒……

品種や環境によって、色や毛質はさまざまで、その数1000種以上とも。

今回は、遠く離れたニュージーランドから、羊の自然な毛色に魅せられた、1人の女性からはじまるお話です。

それは40年ほど前、

当時は染色しやすい「白い羊」が重宝されていて、有色の羊はほぼ需要がなく、忌

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