見出し画像

図書館ウラ話〜みんなの知らない3つのこと〜

その業界に入ったからこそ分かることってありますよね。仕事を始めてからの数年間を思い出してみてください。最初は新しい学びを得るたびに驚き感動し、その業界の奥深さを感じたものだと思います。

そこで今回は、図書館で働き始めて半年の私が実際に働いてから知った図書館の小ネタや雑学を3つ、ご紹介します。

1. 日本のプライド:ハードカバー

「洋書」と聞いて、まずどんなものを思い浮かべますか。

おそらくペーパーバックという、表紙がある程度柔らかいものを想像する方が多いのではないでしょうか。

あれ?そういえば、洋書でハードカバーってあまり見ない……?

そうです!海外の本、特に最近のものは、ハードカバーが少ないのです。職場の先輩は「よほど何かの記念でもない限り、ハードカバーの洋書は本当に珍しい」と言っていました。おそらく経費削減のためだ、とも。日本のように、普通の小説でもハードカバーで出版されるのは凄いことなのだそう。

そういえば、どこかの出版社の本からヒモのしおりが消える消えないという話を聞いたことがあります。本の内容はもちろん、丁装にまでプライドが込められているのが日本の本なのです。

2. 司書は時計をつけない

図書館の本には、盗難防止のために磁気が入っています。(どこに入っているかは内緒です!これは推測ですが、館によって場所はバラバラだと感じています。)

そのため、貸出処理をせずに館外へ持ち出そうとすると、ピーピーと入口のゲートが反応するんですね。貸出処理をする時に、この磁気も同時に抜いています。

磁気を抜くのですから、その親分である機械は超強力な磁気を持っています。

だから司書がカウンターにいる時は、腕時計をつけないのです。強すぎる磁気のせいで、時計が狂ってしまいますから!

実はこれ、司書界隈でもあまり教えられない話だそうです。これから司書を目指す方は、ぜひ覚えておいてくださいね。カウンターに入る時は、腕時計は外しましょう!

(来館者として図書館にいる時は、腕時計を付けていても問題ありませんよ!)

3. 本の登録は司書にとっての「芸術活動」

図書館のOPAC(蔵書目録検索)で、本を検索したことはありますか。

キーワードで検索した時、タイトルにそのキーワードが含まれていない本もヒットしたと思います。

図書館のOPACでは、AIが活躍しているわけではありません。この現象には、司書の華麗な知的能力が関わっているのです。

新しく購入した本を受け入れする時、司書はタイトルなどの基本情報のほかに、関連するキーワードも一緒に登録します。

関連するキーワードは、誰かに教えてもらえるわけではありません。短い時間で本に目を通し、その中で適切な語を選んで登録しているのです。そのため、キーワードの質と量は、司書の技量にかかっています。

県立などの大きな図書館には、やはり熟練の司書が集まる傾向があります。そのため、読みたい本がしっかり決まっていない、調べたいテーマがぼんやりしているなど、目的があいまいな場合はぜひ大きな図書館に行くことをおすすめします。キーワードでヒットする本が多いのはもちろん、レファレンスカウンター(参考カウンター)なども整っており、調べ物の相談に乗ってもらえますよ。

まとめ

今回は図書館ウラ話と題して、一般には知られていないような情報を3つ、お届けしました。

図書館とは、どんな場所でしょうか。そこで働いている人は、何をしている?この問いに明確な答えを出せる人は少ないのではないでしょうか。

この記事を通して、謎の多い図書館という場所に親しみを覚え、「行ってみたいな」「もっと活用してみたいな」と思っていただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?