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「お風呂のしんどさ」は「うつ病」を理解するための入り口

私の妻は長年うつ病です。

うつ病にかかると、特に、お風呂に入ることがしんどくなるようです。
私の妻も、この漫画と同じことをつぶやいていました。


私自身も、お風呂の動作を一つ一つ注意深く観察してみました。

すると、確かに、細かい動作が思いのほか多いことに気づきました。

しかし、うつ病にかかったことのない私自身、
それが、なぜしんどいのかが正直分かりませんでした。

妻に直接問いかけました。妻の答えは以下の通りです。



それは、一つ一つの動作が習慣化されて
「当たり前」になってしまっているからだ。

当たり前すぎて、
一般人は「当たり前だ」という認識すら抜け落ちているのだ!

私が感銘を受けた妻のセリフ


うつ病になったことのない人でも、仕事でクタクタに疲れたとき、風呂に入ることがダルイと思うでしょ?ってことは、お風呂は重労働なのだよ。

重労働だからこそ、エネルギーが枯渇したとき、

「入ろうか、入らないでおこうか、入りたくないが、入るべきだ」

心の葛藤

という心の葛藤・焦りが生じる。そのような状況だと、

「よし!」

と覚悟を決めないと、なかなか入れない。
仕事でクタクタになったときもそうでしょ?

日常生活を営む上で、お風呂や歯磨きは最低限するべきことでしょ?

小さい頃から

「お風呂や歯磨きは毎日しないといけない」とシツケられてきたでしょ?

だから、心の中では、

「最低限のことくらいはしないといけない」

と、責め立てる自分と、

「エネルギーが枯渇しているんだから休んだ方がいい」

と、いたわろうとする自分が葛藤するのだ。
仕事でクタクタな時もそうでしょ?

しかし、うつ病に対する真に深刻な問題は

当たり前に出来ていることが「当たり前に出来ている」とすら自覚していない世間が、

お風呂に入れないくらいグッタリしているうつ病を、

「なまけている!サボっている!」と無邪気に責め立てる

この奥深い構図、理解できますか?

という構図にあるのだよ。

「分かってくれない、、、」

という「カサンドラ症候群」がうつ病を悪化させるのだ。


以上が妻の語りの要約です。なるほど、と私は納得しました。