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【京都一周トレイル】『京都の山と川』感想

更新がだいぶ空いてしまいました。。
半年ほど前になりますが、「京都一周トレイル」に行ってまいりました。
今日はその感想と、トレイルに行く前に読んだ本の感想も含めて書いていこうと思います。

出発点に選んだのは伏見稲荷/東山コースからスタート

京都と聞いてイメージする言葉は何だろう。
本の中では「千年の都」「山河襟帯」「山紫水明」という言葉が挙げられていた。これらの言葉からも想像がつくように、京都といえば「古都」であり、「山」と「川」が多く日本の古い景色が残るまちというイメージがある。

  • 山河襟帯(さんがきんたい):平安京を造営した桓武天皇の一節。山が襟のように囲んでそびえ、川が帯のようにめぐって流れ、自然の要害をなし平安京を防御してくれているという意。

  • 山紫水明(さんしすいめい):江戸時代の国学者頼山陽の造った造語。東山三十六景が紫にかすみ、鴨川の水は清く澄む夕刻の風景という意。

…なんと美しい情景が浮かぶだろう。
枕草子の「春はあけぼの」ではないが、なんとこう美しい自然の情景を言葉で表せる才能の持ち主がこの時代には多かったことか…。感激感服する。それだけ、昔の日本には自然のままの美しい風景が広がり、愛した日本人が確かにそこにいたのだなあと。

さて、山紫水明の説明で出てきた「東山」であるが、東山三十六峰とも言われ、正式には数えられないが、”だいたい36個の山からなる京都の東側にある大きなくくりの山”を「東山エリア」と呼ぶらしい。伏見稲荷神社がある「稲荷山」が最南で、延暦寺のある「比叡山」が最北である。私はこのエリアを最初のトレイルコースとして選び、伏見稲荷神社から京都一周トレイルをスタートさせたのであった。

京都伏見稲荷神社

朝4時か5時かそのあたり、まだあたりは薄暗い中での伏見稲荷神社は少々おっかなくドキドキしながらスタート。鳥居の中は暗闇だが、少しずつ日が昇ってくる。朝とはいえ他の参拝客やランナーの姿がちらほら。猫様もちらほら。京都っぽいな~と感じる狙い通りのスタートが叶った。

一日目の行程は約24km。比叡山までで終了した。比叡山で人生初のケーブルカーを体験。これだけ歩いた後に乗り物に乗ると少しずるをしているような罪悪感も感じなくはないが、そのまま下山しバスで京都駅まで戻る。乗り物って楽。

東山コースでは寄り道をしようと思えば銀閣や哲学の道などあのあたりの観光スポットも行ける。観光しながら歩く、歩きながら観光もしたい人には超おすすめのコースである。

稲荷山からの朝焼け

『京都の山と川』で読んだ一節
「ふとん着て寝たる姿や東山」(服部嵐雪)
これは、東山のなだらかな稜線を表した言葉である。この一節を読んでいたこともあり、正直高低差という意味ではそんなに大変ではなかった。一番苦労したのは道迷いだ。市街地や観光地を「通り過ぎる」ようなトレイルなので、道がわかりずらい。街から山に繋がる道は想像よりもはるかに細く、馴染み、オーラが少ない。え?これ?ほんとに?と思うほどナチュラルに街と山が繋がっている。しっかりとマップやGPSと標識を確認して、落ち着いて進む道を決める。今回のトレイルで学んだことのひとつだ。焦らなくていい、人に訊いてもいい、落ち着け。


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