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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2021年8月の記事一覧

グッドボーイ、白亜紀のドギー


みぎ、
ひだり、
わからないからお手もおかわりもみんな両方の手を差し出して掴んでもらいたがる、しつけが下手で参ってしまうね、ご褒美のクッキー、がぽろぽろ砕けて落下していく、大きい犬は宇宙なのだし、わたしだって宇宙かもしれない、ここよりもずっと強い重力の星、おちていく小惑星、ティラノサウルスみたいな大きい犬たちの、飼い主だったころのはなし。


みんな責任も負えないまま飼い主になるから、どう

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0826、溶ける前に食べちゃいなよチョコレート

 
書けるだけの激情と書けもしない憂鬱、欲しい肩書とされたくないカテゴライズ、腐敗と醗酵の違いがわかるようになるまでの未来、未来は大事ですが目の前のものしか抱き締められなくて、抱き締めることくらいしかできなくて、平穏、不幸と幸福のバランスをとらなきゃ回らない針のこと、ほんとうに信じてたあの子と似ても似つかないわたしの半生、反省の、仕方もわからないまま死にたいってわがまま、
信じる占いと信じない占い

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しづかに哭けよと海は言う

さみしいときはいっとうさみしいお水をのんで
からだをどんどん重たくして
お風呂にはいるみたいに自然に
海にからだをつけることにする
いっとうさみしい歌をうたう
ちいさな
さめ
が居まして
彼のうたう子守唄で
海の底でねむらなければならないので

(つまらないことに人魚でなくてよかったと思う、そのうち息がくるしくなって、わがままに海からあがるのだ、風船の空気がしゅうと抜けていくみたいに、これは仕方な

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グッナイ・マイ・サマー

グッナイ・マイ・サマー

 海がひかる、
 ナツの棲む、とおく淡い海が。




 茹だるような暑さにうなされるたび見知らぬ海辺のまちの夢を見る、街灯のひとつさえないくせに、やけに明るい、けれど、いつだって夜のまち。明るいのは星がみんな落ちてきたみたいに、ううんもっと、一晩中、水面で花火が咲いているみたいに、海が光っているからだった。
 そのまちでのぼくはうんと自由で、清潔な木製の家を出て、ちいさな市場で蒼いりんごを

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泣けるほどおいしいだけで未来などおしえてくれない占いグラタン(0815)

このあいだいったばかりのライブハウスが閉館するらしい、気づいたらタイムラインからたぶん、リプライで話したことのあるひとが消えている、誰かが分岐点に立っているあいだ、ぼやけたまま変わらないわたしの生活、雑なお弁当の占いグラタンの星、よっつ、よっつもあってうれしいね、よりも、ひとつ欠けているな、と、先に思ってしまうこと、感性が豊かねって、褒めてくれるひとがもしいたとして、わたしは、そのひとの明度の高さ

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今日もわたしはすこやかに

音楽に殴られて絵画に蹴られて、それでも穴のあかない身体。唇は乾燥してないのに靴底だけがななめに磨り減っていって、季節を越えられない、ショートケーキを手づかみで食べる、あいだだけは、髪なんていっしょう短くていいと思えるのに今日もまた、あの子の、ふわふわの長い髪のはしっこに、誰かの結んだ赤いリボンを見つけた。


風邪もひかない丈夫な身体、傷つけないのは痛いのが嫌いだからで、当たり前のことで、

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8月、茹だるような夏と賞味期限のちかいヨーグルト

あつくなってヨーグルトばかり食べている、はちみつが入ったやつとか、バニラとかカスタードとかのうんとあまいヨーグルト、すぐにあまいものを食べたくなる身体も、そのくせ痩せたがって後悔したりするこころも黙らせられる都合のいいヨーグルト。おいしい。


大して使いもしなかったフリートがツイッターの画面から消えて、なんだか足りないような多すぎるような気持ちになる。
1日あれば薄れるくらいの違和感、そうい

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