今日もわたしはすこやかに

音楽に殴られて絵画に蹴られて、それでも穴のあかない身体。唇は乾燥してないのに靴底だけがななめに磨り減っていって、季節を越えられない、ショートケーキを手づかみで食べる、あいだだけは、髪なんていっしょう短くていいと思えるのに今日もまた、あの子の、ふわふわの長い髪のはしっこに、誰かの結んだ赤いリボンを見つけた。  
 
 
風邪もひかない丈夫な身体、傷つけないのは痛いのが嫌いだからで、当たり前のことで、当たり前のことができるからって強いわけじゃないって、正論、誰かあの悲劇の前で演説してください。
一目惚れしかできないなら恋なんてするの辞めてね、
同情を紙幣にしてぺらぺらの財布を投げあって、駅に飲み込まれてしまった、彼らは、前衛芸術としてオブジェになっている、タイトルは健康、らしい。
 
 
簡単にしなないようにお腹は空いて、栄養をたくわえたら眠たくなって、布団の中で帰りたいって泣いてみても歌をうたえば大丈夫で、夜ばかり崇めたり憎んだりして、知らないひととすれ違うときの皮膚の緊張、程度にしか狂えない朝のこと、きっと馬鹿みたいに愛するひともいる、と思うとまた、出来損ないみたいな気持ちになるので、あたたかい水で時間を流す。
体重が少し増えたって、わたし健康みたいです、
健康、みたいです。
 
 
 
 
 
 
  
 
  


生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。