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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2021年5月の記事一覧

えぶりでい決行前夜

踏切のあぶないですよの音までがしんでしまえに聞こえる朝は
  

狂わないことと狂ってしまえないこと最寄り駅ホームの清潔
  

スイミングスクール通えばよかったな息もつけない人の波、波
  

夕焼けがやけに赤くてきれいだしぼくたちもっと軽率でいい
 
 
あの川へスマホを投げてやわらかに行方知れずになってしまえば
 
 
歯を磨き白いベッドに横たわり電気を落としてころした羽虫
 
 
おだやか

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ネオ・丁寧な暮らし

ネオ・丁寧な暮らし

化粧水飲んじゃいたいな子宮まで乾燥してる(ような気がする)  

花ひとつない家だけどブラジャーの薔薇が咲くから今日はしとやか

即席の愛をふりまく彼のよに名のないクマのほこりを払う
  
お皿にはうつしてやらないバターケーキ落としたかけらがいつかなる星

くたびれたこころにだけはやさしくて身体に悪いネオ・丁寧な暮らし

 
 
 
ねじのゆるんだ眼鏡を拭うところからはじまる生活、の、堕落を軽蔑す

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ふたごの無精卵ともう来ないあの夏の0519

ふたごの無精卵ともう来ないあの夏の0519

 
ベーコンのうえに割ったたまごがふたごだった、 わぁ、ふたご!って思わず声に出しちゃったけど、いままでのわたしだったらたぶん、写真を撮ったりはしなかった、
すぐにスマートフォンをとりにリビングへ走って、食べ物を撮るのにぴったりのアプリをひらく、こいびとに写真をおくるためだった、
わたしがすきなのは結局いとしいひとたちであって、美しい景色ではないのだとおもう、美しいわたしではないのだとおもう、だれ

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グレイいかないで

 
ねぇグレイ 君が怖がってた
お化けはもうここにはいないのに
どうしてそんな悲しそうで 苦しそうで
あぁグレイ その名で僕を呼ばないで
お化けがまた君に残していく
消えない呪い 僕だけが君の中で 色のない化け物

ねぇグレイ 僕を連れてってよ
お化けはもうどこにもいないこと
どうしてこんな憎らしくて 恐ろしくて
あぁグレイ その名が君を縛るのか
お化けがまた遠くあざ笑う
見えない呪い 僕だけがこ

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非実在エンゲージリングショップ

 
折り紙でつくった赤色のわっかに指をゆっくりとおす、こころとあたまが別にあるって、どうやったら証明できるかわからない、こころとあたま、約束は、ケイヤクは、どっちで交わすんだろうね。わからないまま薬指のいちばんおくまでとおしたわっか、かんたんに破れてしまうものにしか守る価値を見出だせない、だからわたしも破れやすくいるのだ、と、言い訳をする。
もう一枚、引っ張り出した折り紙、丁寧に丁寧にたたんでも、

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うぇあいず、わたしの飾り羽

 
友達とセックスしたらしい好きだったバンドのだれか、ベースが今日もちょうどよく、ちょうど、ちょうどうつくしいくらいにひずんでいる。孔雀の羽、わたしたちのために綺麗ではないくせにって時折妬ましくなって、数枚、引き千切ってアクセサリーにしてやりたくなる。謝罪まで連なったネックレスとか。
 
 
君だってわたしのために美しいわけなんかないのに、わたしは君だけのために無い羽根をいっしょうけんめいひろげよ

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0501、あきらめられない病とやさしいだけのクリニック

 
五月病ってわたしかかったことありますか、って、聞きたいけど主治医とかいない、通うならキリンの先生のところがいい、たぶんゆっくりやさしく話してくれるだろう。ながい首をぐうっとまるめて、できるだけ目線を合わせてくれて、小さなめがねをかけている、キリンの先生。看護婦のミーアキャットは無愛想だけどめんどうみが良くって、わたしは小さな待合室のみどりのソファに座って、おなじ病のペンギンとひそひそ天気のはな

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