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みじんことオーマ
2016年9月30日 13:28
まだそこにいたのか。肋間を引きちぎって、取り出したソレ。無数の幻影の間を飛翔して、逃れる術を探す。
2016年9月29日 21:58
壁に手をかけるような生。落ちるのは一瞬で、登るには儚い。今日からは空が地面に。酸素から芽吹く雨。
2016年9月28日 11:15
爪が伸びていたから昨日が終わってたって気づいたんだ。歳を取るのは拒否しているのに、子どものままではいられない。
2016年9月27日 12:57
にじんだ血は精霊の通り道。浸食する芽と根。蠢くには二歩遅かった。痛みはもう感じない。
2016年9月27日 00:31
虫の棲む白い社。足を取り去られて半透明のまま宙に浮く。忘れた頃に抜け出る洞の先。忘れ落ちるまで深く眠る。
2016年9月25日 20:49
葉と葉を赤い糸で縫い合わせた。空の見えない空に届くようにと。森が翳るのは覆われた雲のせい。汚れた色を落とすように白い石を積む。
2016年9月22日 00:49
出会ったあなたは石だった。この世界で生きることを頑なに。語るように流れる時間。水の中にいた一億年。
2016年9月20日 12:45
細胞間隙に潜む迷いの影。手を伸ばせば遠ざかるのに、手放そうとすればより意識的に。神経回路に沁み込むように、2秒前から過去を始める。
2016年9月19日 13:23
時間を遡ろうと思ったの。間違った選択をもう繰り返さないように。言葉を辿って巡ったら、言葉を失くしてしまったの。何もなかったことに出会ったら、生まれることに出会ったの。
2016年9月19日 01:39
今日の風は少しだけ蒼かったから、柔らかい腹を白く高く塗り染める。その音が紅くなったらできあがりのしるし。爪先で弾くとシトッシトッと泣く。
2016年9月17日 22:23
隣にいたオレンジのなまずは今朝、死んだんだと聞いた。だから味噌汁から豆腐を抜いて、代わりに紫陽花を敷き詰めた。なまずは紫陽花の魂と混じり合って、もう寂しがらずに済むだろう。きっと寂しがらずに済むだろう。
2016年9月16日 19:02
世界に見えないものがあるなら、そんなの本当でも嘘でもいらない。あと何回ぶん砂が流れれば、星が曇らず見えるだろう。丸まった猫が赤銅色に変わった時みたいに明後日より2回ぶん余計に息を吐く。
2016年9月15日 12:14
空を飛ぶのが嘘だったというなら緑の芝生だって同じこと黒い塊は泣いたまま海を見上げるああ、ここにもいなかった。溶けて消えた金の鐘の音。
2016年9月15日 00:14
両手を伸ばすのは初めてだった。曇り空が指の間で渦を巻いて、今できたばかりの砂の城みたいに、指の骨が隆起する。腕はあったのに、いつから使わなくなったんだろう。眩しいなんて嘘だから。本当は目を開けないほうが楽だと思ってただけ。