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女性画家の随筆や名言集

お久しぶりです。明日は日曜日なので夜更かし!

そんなことはさておき。
私は女性画家(女流画家、って表現もなんだか男性の間で気を吐いてるすさまじいド根性を感じるので私はきらいじゃないんですが…時流を鑑み女性画家という表記にさせていただきます)の記した随筆やエッセイ、名言集などを読むのがとっても好きです。

今回は「再読しまくりの本」と「これから再読したい本」をご紹介させていただきます。

●片岡珠子の言葉「精進ひとすじ」●

これはマジでバイブルです。いつも心が弱ったとき手放せない一冊。日本画家としては型破りな作風で「ゲテモノ」と呼ばれ、公募に10回落選しても諦めずに絵を描き続け、富士山の連作や「面構(つらがまえ)」シリーズで名を残し103年の画業をまっとうした片岡珠子先生。そこに掲載されているお言葉は、どれも飾り気がなく率直で、まっすぐに絵に賭ける志しが伝わってきます。特にムムム…と思った箇所を上げます。

私も女ですが、女は最後まで見届けないとなかなか信じられないという気持ちも強いのです。画家でも感受性は男よりもある。男は純粋だが、いのちがけでやると、女の方がいつか追い越されてしまう。ずっと見ていると、どうも男の方が立派に見えて、女の方が信用できないという気になってしまうのです。

片岡先生は明治生まれ。明治の女性の古風な感覚、ミソジニーが含まれていないといえば嘘になるでしょう。しかし、家庭を持たず生涯独身を通して絵の道に突き進んだ片岡先生からすると、花嫁修行の一環として手習いに美術学校へ通う人が多かった時代ならではの厳しさを感じます。女が芸術家として一流でいようとする場合、家庭があるのはなんだか信用できない…そんな気持ちは私も、僭越ながら少しだけわかる気がするのです。片岡先生は「女はリスクを取らない賢さがある分、それがキャリアを邪魔する」と言いたかったのではあるまいか。なかなか難しい問題です。次、行きます!

●上村松園全随筆集 青眉抄・青眉抄その後●

こちらも名著。
先日読み返して、自分の甘さに涙目になったくらいです。上村松園先生は女性画家として初めて文化勲章を受賞した、言わずと知れた美人画の大家であります。皆さまもどこかで松園先生の描かれた凛とした美人画をご覧になったことがあるはず。

松園先生の本は、京女独特の「しんねり」と「いけず」が見え隠れする随筆だなあと思いました。何しろ片岡珠子先生よりさらに前の時代を生きた女性です。尚且つシングルマザー。風当たりの強さをはねつけ、生き抜く、自分の画業を守り抜くのはどれほど大変だったことでしょう。ちなみに息子さんもお孫さんも日本画家です。松園先生の随筆からは、鏑木清方の随筆のように江戸のなごりを感じる描写も多く、読んでいて懐かしいような気持ちになります。私が平伏したのは下記の文章でした。

絵はいかに個性が尊ばれねばならないとしても、腕を伴った個性でなければ何の役にも立たないと思います。腕の伴わない自分の出た絵は片輪の絵とでも言うべきでしょう。

キ、キツ〜!!厳しい!( ;∀;)不適切な表現が含まれていますが、原文ママ掲載いたしました。ご了承ください。個性が大事と言われてますが、やはり腕も大事だよそりゃ!ってことですね。肝に銘じます…。やっぱり、しんねりしてますね松園先生。いけずやわあ。

そして次は、「ずいぶん前に読んだけど再読したいな」本です。

●桃紅百年 篠田桃紅●

100歳を超えてなお現役の墨の現代アートを作り続けている現代美術家・篠田桃紅先生の随筆集です。

桃紅先生も上記のお二方に負けず強烈な自我と個性の持ち主ですが、主戦場が現代アートという場だからなのか、お二方より厳しさのベクトルがちがう感じがします。恬澹とした味わいがあると言うか。何年か前読んだものだったので、また再読して自分にカツを入れたいです。

●草間彌生「水玉の履歴書」「無限の網」●

キター!彌生ちゃん!いえ、言わずと知れた草間彌生先生です。水玉とハプニングの女王!草間彌生先生そのものが現代アートという気がしますが、ご著書もおもしろい。「水玉の履歴書」は名言集、発言集。「無限の網」はものすごく濃い自伝です。ジョセフ・コーネルとのエピソードとかすごかったです…。こちらも改めて再読したい二冊。

駆け足でしたが、すこしでも上記の書籍に興味を持っていただけたらうれしいです。リンクの貼り方わからなくてごめんなさいですよ…。

女性画家万歳!!

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