汐の助

「月夜のどんぐり組」というユニットで (一人芝居とピアノ弾き) 子供達にお芝居を届けて…

汐の助

「月夜のどんぐり組」というユニットで (一人芝居とピアノ弾き) 子供達にお芝居を届けています。 ここでは、何となく懐かしく、ちょっと可笑しい そんな短編ストーリーや、イツカノ日記をつぶやいています。 桂枝雀/「男はつらいよ」/なすびと小エビの煮付けLOVE

記事一覧

夜家に帰ると電気はついているが、誰も見当たらなく、小さなクリスマスツリーが飾られていた。「ただいま」と声をかけると
炬燵からネコとウサギと子供たちが順番に出てきて最後にパジャマの妻が出てきてみんなで大笑いしている

「今日雪降ったんだよ」と下の息子が言った

#日記

汐の助
3年前

息子と買い物
降りるバス停を間違え少し歩く
靴が汚れたと、騒ぐ息子をおんぶして
オシッコと言うので公園のトイレに連れていく「うろこ雲!」吹き抜けの空を見上げ手を汚す。ベンチに座る警備員が「休憩入ります」と言ったので、少し離れて2人で笑って、けんけんぱっ。

#イツカノ書き付け

汐の助
3年前
2

みやもっさん

その昔 僕が小学生だった頃の話 隣の席の宮本さん、 いや みやもっさんは 僕に宿題の答えをみせて それから ドリフの鼻歌を歌っている いつのまにか いや ちゃうな 鼻歌…

汐の助
3年前
5

新井薬師前で酎ハイと

かくかくしかじかパンいち珈琲 氷菓子ひとつくださいな カモメカモメかちんかちん 男気ひとつくださいな 未来から鼻が伸びて あの娘の肩をトントン 嘘つきって言ってくだ…

汐の助
6年前
4

教会通りに陽は落ちて

知られたら最後だと、渡り鳥は鳴いた この坂を登りきればと、木こりは言った 真っ赤なウソと黄色い声をミキシング 見上げればうろこ雲 ほら かなしばりにあったみたいな…

汐の助
6年前
4

飯田橋のホームの先っぽ

ピラミッド後退ジャンジャンコクトー パイの実パイの実タケコプター ロンドン橋から川を見て あなたの事を考える 洗濯ばぁちゃんドカチャカドカチャカ みなしご通りに醤油…

汐の助
6年前
7

春夏秋冬、雨も降る

夕方から営業会議でこっぴどく叱られる。 売り上げが前年から落ち続けている 僕の意識と情熱がかけているらしい 事務所をでると、雨がぱらついてきた。 今朝預けた、駅…

汐の助
6年前
3

いつのまにか、海を見ていた

君は言う 「甘い匂いがするね」 風を包んで飴玉一つ 君の口に放り込む 梢が 転がって 木立が 「よいせ!」と起き上がる ざわめきが肩を組んで雲が鳴り 朝をつくろうとし…

汐の助
6年前
4

「庭でとれたイノシシを食いに来いや」

古い友人に誘われ仮病を使って奈良に。 そこから友人の村までタクシーを使う 「観光客のやるせんべいおますやろ、あれは鹿にとってなんの腹の足しにもなりませんねん」 残…

汐の助
6年前
7

ソラカラノオッチャン

知り合いの娘さんのダンスの発表会を観に行く 畑に囲まれた大学の野外ステージに登場した娘さんの息は白く そういう季節なんだと思い知らされる こんな小さな体のどこに…

汐の助
6年前
5

春夏秋冬、雪も降る。

夜家に帰ると電気はついているが、誰も見当たらなく、クリスマスツリーが飾られていた。「ただいま」と声をかけると 炬燵からネコとウサギと子供たちが順に出てきて最後に…

汐の助
6年前
3

夜家に帰ると電気はついているが、誰も見当たらなく、小さなクリスマスツリーが飾られていた。「ただいま」と声をかけると
炬燵からネコとウサギと子供たちが順番に出てきて最後にパジャマの妻が出てきてみんなで大笑いしている

「今日雪降ったんだよ」と下の息子が言った

#日記

息子と買い物
降りるバス停を間違え少し歩く
靴が汚れたと、騒ぐ息子をおんぶして
オシッコと言うので公園のトイレに連れていく「うろこ雲!」吹き抜けの空を見上げ手を汚す。ベンチに座る警備員が「休憩入ります」と言ったので、少し離れて2人で笑って、けんけんぱっ。

#イツカノ書き付け

みやもっさん

みやもっさん

その昔
僕が小学生だった頃の話

隣の席の宮本さん、
いや
みやもっさんは
僕に宿題の答えをみせて
それから
ドリフの鼻歌を歌っている

いつのまにか
いや
ちゃうな
鼻歌が2番に入る頃
僕は
みやもっさんを好きになっていた

いや

そうやない

おじいちゃんの部屋にある
裸の女の人しか写ってないカレンダーや

恥ずいけど

5月の女の人が
みやもっさんに少し似ていたから

かもしれんし

こっ

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新井薬師前で酎ハイと

かくかくしかじかパンいち珈琲
氷菓子ひとつくださいな
カモメカモメかちんかちん
男気ひとつくださいな

未来から鼻が伸びて
あの娘の肩をトントン
嘘つきって言ってください

森を抜け欲情が伸びて
あの頃の腰をフニャフニャフニャ
赤穂浪士をひとつまみ

エッサエッサと窓際族が
大量生産在庫過多
もう一度こっちを見てよ
窓の外には何もないから
空の上にも何もないから
思い出生焼けちゅるちゅると
蝶のよ

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教会通りに陽は落ちて

知られたら最後だと、渡り鳥は鳴いた
この坂を登りきればと、木こりは言った

真っ赤なウソと黄色い声をミキシング

見上げればうろこ雲
ほら
かなしばりにあったみたいな顔してる

読み上げたら終わりだと、五月が行き過ぎ
この手を握ればと、差し出された非常階段

ハッピーアワーと黄昏時がミキシング

見上げればもう
ほら
夜がすぐそこまで

仕事終わりのこの時間に僕は何を書こうとしているのだろう

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飯田橋のホームの先っぽ

ピラミッド後退ジャンジャンコクトー
パイの実パイの実タケコプター
ロンドン橋から川を見て
あなたの事を考える

洗濯ばぁちゃんドカチャカドカチャカ
みなしご通りに醤油をたらす
シミの裾野は広がって
通勤時間が一泊2日オーシャンビュー

安全地帯を駆け上がり殿様気分で緑茶ハイ
キノコタケノコ普通の子
手を上げたのはいいけれど、まだ何も決まっていなくていつきまるかもわからない
とりあえずは逆立ち定食馬

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春夏秋冬、雨も降る

夕方から営業会議でこっぴどく叱られる。
売り上げが前年から落ち続けている
僕の意識と情熱がかけているらしい

事務所をでると、雨がぱらついてきた。

今朝預けた、駅前のロッカーを開けて
荷物を取り出す、どこかに意識と情熱が紛れ込んでいないものかね。

昨夜子供達と作ったカレーの匂いがした。
#エッセイ #日記

いつのまにか、海を見ていた

いつのまにか、海を見ていた

君は言う 「甘い匂いがするね」
風を包んで飴玉一つ 君の口に放り込む
梢が 転がって
木立が 「よいせ!」と起き上がる
ざわめきが肩を組んで雲が鳴り
朝をつくろうとしている

二人は 少し 笑った

遠く 明けの カラスと漁師
ひびの入った ガランドウ
白黒はらわた倦怠感
通りを行けば 打ち上げられた
二月とコーラとヒヤシンス

もうすぐ 終わる 息の気配を
始まって しまった 潮の記憶

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「庭でとれたイノシシを食いに来いや」

「庭でとれたイノシシを食いに来いや」

古い友人に誘われ仮病を使って奈良に。
そこから友人の村までタクシーを使う

「観光客のやるせんべいおますやろ、あれは鹿にとってなんの腹の足しにもなりませんねん」
残念そうな顔で運転手は教えてくれた。
村は雨で霧が山間までのびている

村の人達は気持ちよく僕を迎えてくれた
「東京は怖いでっしゃろ」
「私はシナシナのお鍋は食べないの」
「おかきのニーズは団欒です。」
「あれは実は大仏の鼻なんです」

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ソラカラノオッチャン

ソラカラノオッチャン

知り合いの娘さんのダンスの発表会を観に行く

畑に囲まれた大学の野外ステージに登場した娘さんの息は白く
そういう季節なんだと思い知らされる

こんな小さな体のどこに隠し持っていたのか激しく怒った目をして踊っている

こんな目を
僕はむかし見た覚えがある

「ソラカラノオッチャン」

近くに住む親戚のおじさんはお酒を飲むと僕達の家の前で
「おい!空から、空から、市役所が降ってきたぞ!気ぃつけや!気ぃ

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春夏秋冬、雪も降る。

夜家に帰ると電気はついているが、誰も見当たらなく、クリスマスツリーが飾られていた。「ただいま」と声をかけると
炬燵からネコとウサギと子供たちが順に出てきて最後に妻が出てきてみんなで大笑いしている

「今日雪降ったんだよ」と下の息子が言った