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ロシア異界幻想


ロシア異界幻想

 ロシアの幻想的な思想を、紹介した本です。

 ロシアにおける「この世」と「あの世」の考え、ロシアの妖怪、ロシア人の「死」に対する考え、ロシア正教、ロシアの天国と地獄、などについて、書かれています。

 類書は、ほとんどありません。
 日本語で、ロシア人の精神の不思議な部分を、よく解説してくれていると思います。

 このような精神的な話は、わかりにくくなりがちですね。具体的な形がないからです。
 けれども、本書では、具体例がたくさん挙げられています。このため、わかりにくいことは、ありません。

 ロシアという国の不思議さを知りたい方に、お勧めです(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。


 世紀のはざまにて/幻視と啓示/「真に幻想的なるもの」を求めて/
 日常性の中の異界現象

第一章 「この世」と「あの世」のしきい
 ロシアの農民の死に方/死の予告/帰ってくる死者/亡霊防御法/
 《忘却の川》のかなたへ/過度の哀悼の禁止

第二章 家の霊域に棲むもの
 宇宙の小モデルとしての家/聖所としてのペーチ/”赤ん坊の焼き直し”/
 母親としてのペーチ/家神ドモヴォイ/家族の成員の不幸を予告する/
 ドモヴォイの外貌/変身能力/ドモヴォイを見るのは危険/夢魔/
 青痣【あおあざ】/好色/家畜の守護神/氏族神/かまどの火の神/
 家と人生/呪術師大工とキキーモラ

第三章 ロシア・フォークロアにおける「死」の概念
 フォークロア的に「死ぬ」とは/「生」と「死」の闘い/無敵戦士アニカの最期/
 死神幻想/死の天使/霊は風か火か/旅立ち/幾山河越え去りゆかば/
 爪の威力/「あの世」での生活

第四章 「聖なるロシア」の啓示――民衆宗教詩『鳩【はと】の書』
 民衆の中の宗教詩/民衆宗教詩『鳩の書』とは/『鳩の書』の成立と解釈/
 「正義」と「不正」の闘い

第五章 ロシア的終末論
 地の嘆き/終末期待/小終末と大終末/終わりの時の徴【しるし】/
 中世の反キリスト伝説/クバン・コサックの終末伝説/反キリストは東方より

第六章 天国と地獄の幻景
 死者の国はどこにあるのか/宇宙卵と世界樹/鳥たちの天国/
 「ブヤーンの島」/「楽園」への旅/地上の楽園/地獄の位置/地獄の責め苦

付録『鳩の書』

あとがき
参考文献



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