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大量絶滅がもたらす進化 (サイエンス・アイ新書)


大量絶滅がもたらす進化 (サイエンス・アイ新書)

 生物の絶滅について、書かれた本です。
 中でも、多くの生物が一斉に姿を消す「大量絶滅」を、主に取り上げています。

 今から約六千五百万年前に、恐竜が絶滅したことは、有名ですよね。あの時、恐竜と同時に、翼竜、首長竜、アンモナイトなど、多くの生き物が絶滅しました。
 このような「大量絶滅」は、恐竜絶滅時にだけ、起こったのではありません。地球の歴史上では、何十回も起こっています。
 それらの中で、特に規模が大きい「大量絶滅」は、五回ありました。これらは、五大大量絶滅と呼ばれます。

 なぜ、地球の歴史上で、大量絶滅は、繰り返し起こったのでしょうか?
 大量絶滅では、どんな生物が絶滅し、どんな生物が生き残ったのでしょうか?
 大量絶滅の後には、何が起こったのでしょうか?

 これらの疑問に、本書が答えてくれます(^^)

 恐竜の絶滅について書かれた本なら、たくさんあります。
 けれども、恐竜絶滅時を含めた大量絶滅について、総合的に解説した本は、ほとんどありません。本当は、地球の生物史全体を見渡さなければ、恐竜絶滅も、理解できませんのに。

 本書を読み通せば、地球の生物史について、基礎的な知識が身につくようになっています(^^)

 本書は、まず、「進化」の基本的な解説から入ります。これが理解できないと、大量絶滅の意味も理解できないからです。
 結果として、進化論についても、詳しくなれます(^^)

 全体的に、図表をまじえて、わかりやすく書かれています。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第1章 古典的「進化」像の確立
 地球はいつ生まれた?
 ビュフォンとリンネ
 化石はノアの大洪水の証?
 ラマルクの用不用説 生物学の誕生
 斉一説の誕生
 進化論を生んだ航海
 ダーウィン・フィンチ
 戦争は救済? 人口論
 もう1人の進化の父
 進化論の発表
 など

第2章 進化とは本当に「生存競争」の結果なのか?
 進化論の新たな視点
 遺伝子の発見
 遺伝子は染色体の上にある
 遺伝子の正体は核酸だった
 DNAの構造としくみ
 進化とは遺伝子のコピー・ミスの積み重ねである
 「分子進化の中立説」登場
 突然変異は偶然によって生き残る
 「死んだ遺伝子」は進化が早い
 ゲノムを読みだすための苦労
 など

第3章 進化を進める要因としての大量絶滅
 地質年代表
 地球の歴史を概観する・1 ~地球の誕生から始生代まで~
 地球の歴史を概観する・2 ~原生代のはじまり~
 地球の歴史を概観する・3 ~酸素呼吸の発明~
 地球の歴史を概観する・4 ~後生生物の登場~
 地球の歴史を概観する・5 ~スノーボール・アース仮説~
 地球の歴史を概観する・6 ~エディアカラ生物群~
 地球の歴史を概観する・7 ~顕生累代【けんせいるいだい】のはじまり~
 顕生累代の大量絶滅は何回あったか?
 オルドビス紀末の絶滅・1 ~オルドビス紀の生物相~
 など

第4章 大量絶滅の原因について考える
 大量絶滅のメカニズム
 天体衝突と大量絶滅
 最終仮説に肉薄した天体衝突仮説
 衝突仮説の問題点
 イリジウムはどこからもたらされたのか?
 マントル・プリュームの周期的浮上説
 白亜紀末の絶滅をもたらした巨大噴火
 海進と海退はなぜ起こったか
 海洋無酸素事変のメカニズム
 地球磁場の消失とプリュームの挙動
 など

参考文献
索引



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