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農業は「農」だけでも「業」だけでも成り立たない。農業のイメージが変わった、泉佐野アグリカレッジでのおてつたび。【おてつびとインタビュー vol.9】

 大阪といえば、道頓堀や大阪城など都市部の観光名所やにぎやかなイメージが浮かびますが、大阪に限らず、どんな地域もひとことでは語れません。

 大阪府南西部に位置する‟泉州地域”とよばれる9市4町は海と山に接し、古くから栄えてきた気候も温暖な地域です。
 関西の空の玄関口である関西国際空港がある一方で、農産物や良い漁場に恵まれており、また、歴史ある伝統的な産業なども各地にみられる泉州には、食材、特産品など、各市町村ともにブランド化を図った様々な「泉州のブランド物」がたくさんあります。

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 泉佐野市いずみさのしにあるおてつたび先の『泉佐野アグリカレッジ』さんで育てている泉州ブランドの野菜もそのひとつ。
 今回は、農業に興味があることから泉佐野市のおてつたびに参加した三名の大学生にお話を伺いました。

おてつびと_vol.9_アグリ対談

●おてつたび先データ●
行き先:大阪府・泉佐野市いずみさのし
期間:2020年3月14日(日)~2020年3月20日(土)
お手伝い内容:泉州ブランド野菜の定植、種まき、収穫など
https://otetsutabi.com/plans162

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――今日はよろしくお願いします!
今回のおてつたびは農業に興味のある方におすすめのおてつたびでしたが、みなさんが参加を決めた理由を教えてください!

北川さん:よろしくお願いします!私は授業で農業経営などを学ぶなかで、実際の農業法人がどんな風に成り立っているのかなどを知りたかったから参加を決めました。経営を学んで、実際にやるとしても、現場を知らなければ意味がないなと思ったんです。
また、収穫などの栽培に直接関わる作業もあまりしたことがなかったので経験してみたかったという気持ちもありました。

吉元さん:日本全体で若者就農率が低いなかで、若者の就労支援と農業をかけ合わせた企業がどんな感じなのか気になったので参加しました。
あと、地域活性化や地域振興に興味があって……。私は、自分の地元をどうにかしたいという想いがあったので、おてつたびは、地元でなくても、自分の地元のように思える場所が全国的に広がっていくのがいいなあと思っています。

小林さん:おてつたびのしくみを聞いたときに、”旅行しながらお手伝いもできる”というところが面白そうだなと思って興味を持ちました。
「食」の分野に対する興味から農業についても知りたいと考えていて、農業をしてみたいと思って探したところ、日程が合ったので参加したという感じです。

――ありがとうございます!ちなみにみなさんは、いつ頃から農業に興味があったんでしょうか?

北川さん:私は現在農学部に通っていますが、農業自体に興味があるというよりは、農業を通して何か、たとえば発展途上国の支援などをしたいと思っています。青年海外協力隊だったり、貧困問題などに興味があって、そこに”食”は必須だろう、というところから間接的に「農業」にたどり着きました。

吉元さん:祖父が農業をしていたので、小さいころから農業は身近にあって……。気付けば自然と興味を持つようになりました。
ただ、どちらかというときついイメージ、暗いイメージがありました。

小林さん:祖父がぶどう農家でしたが大変そうなイメージばかりで、もともと、あまり興味はありませんでした。
でも、将来食品メーカーに就職したいと思うようになってから、食品製造のいちばん川上に位置する農業についてあらためて学びたいと思うようになって現在に至ります。

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――なるほど。たしかに「農業に興味がある」といっても、いろいろな入口がありますよね。
泉佐野でのおてつたびを通して、農業についての見方や考え方で変化はありましたか?

北川さん:泉州ブランドの野菜をもっと知ってほしいというおてつたび先のみなさんの想いや、泉佐野アグリカレッジさんの設立の背景などを聞いて、農業経営について、今までより興味を持てました。
同じ農業でも、地域による特性や、都市型・近郊型など形態による違いもありますし、自分の目で見るまでわからないものもありますね。

吉本さん:マルシェで、実際に食べてくれる人の顔を見て野菜を販売したときに、その人の日々の生活を支えているなっていうのが実感出来て、あらためて農業って良いなあと思いました。
実際に販売の際に、普通のスーパーでは高い野菜でも、「ここの野菜は美味しいのよねー」と買ってくれる奥様方が多く、経営戦略の重要さもまた感じました。

小林さん:私も経営戦略を考える視点は印象に残りました。農業の印象は、ただ農作物をたくさん育てて売るというイメージでした。
売る場所や配置、タイミング、スーパーなどへの交渉を考えて販売しないと売り上げが伸びないというのを知って、マーケティングの要素がとても強いことに驚きました。
「農業」というのは、作物を育てる「農」の部分だけではなく、経営していく「業」の部分もあって成り立っているんですね。

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――作物を育てるだけでも、売るだけでも「農業」は成り立たない……!現場の方と直接話せる貴重な機会は、初めて知って驚くことの連続ですね。
おてつたびを使ってみてわかった今後に活かせそうなことや、感じたことを教えてください!

北川さん:農業経営に興味があったので色々質問させてもらったのですが、座学だけではない、実際に現場にいる人の視点からの話なので、なるほどと思う所も多かったです。農業経営もやり方次第でどんどん面白くなるんだなと思いました。
今回、色々なお話を聞いて農業の関わり方の幅広さを感じたので、今後も何かしらのかたちで農業に関わりたいと思います。

吉元さん:私も北川さんと同じで、色々な農業との関わり方を知ることができました。泉州アグリさんが取り組んでいる都市と地方とをつなぐスタイルは、今までにない農業のかたちで、とても刺激になりました。
また、個人の特性にあわせたスタイルなど初めて知る働き方ばかりで、自分はどんな風に働きたいか、あらためて考えるきっかけになりました。
土地の肥沃度をデータにしていたり、販売数をデータ化していたり、ノウハウを引き継いで行けるようにしているのが凄いなあ、って。

小林さん:マルシェで野菜を売ってみて、呼び込みの仕方や野菜の配置や数など、農業に関わる経営の視点を初めて知って驚きました。将来食品メーカーに就職したら、泉佐野アグリカレッジさんのように活動をされている方がいることを広められるようなお仕事もしてみたいです。

――みなさんから見た「泉佐野」はどんなところですか?
おてつたび前の印象があれば、あわせて聞かせてください。

北川さん:泉佐野自体もよくわからなくて、何があるんだろう?って思っていたけど、皆さんすごく気さくな方たちで、すごい良い町だと思います!
りんくうタウンのような近代的な街並みから、犬鳴山(いぬなきさん)のような歴史や自然が豊かな場所まである。田舎すぎず都会すぎず、とても住みやすい街だと感じました。
あと、面白い人が多いですね。大阪らしい、人情味があって素敵な地域だと思いました。……すっかり泉佐野のこと、好きになってますね(笑)

吉元さん:泉佐野の名前はニュースで聞いたことがあるくらいでした。
関西空港が近いので農業のイメージは無くて、都会なのかなあ……って。
関西弁が強くて圧倒されるかな?と思いながら行きましたが、そんなこともなく、みなさん優しいですね。
住宅地をちょっと抜けたら自然が多くて、ほっとします。
あと、大阪といえば、たこ焼きやお好み焼きというイメージだったのですが、泉佐野は、松波キャベツやブロッコリーなどの野菜もすごく美味しいです!

小林さん:泉佐野の名前は来るまで聞いたことがなかったです。
大阪には都会のイメージしかなかったので、大阪に農業をしている町があるんだ、と思いました。
都会と田舎を一気に味わえるし、山も海もあるから色々な特産品があってすてきな場所だなと思います。

――全国から泉佐野に来てみて、気付いたことは色々あったんですね!泉佐野での農業を経験できた一週間、楽しめたようで良かったです。
最後に全体を通しての感想をお願いします!

北川さん:泉佐野での一週間は、思っていた以上にあっという間で楽しかったです。
普段の授業などから、正直農業で食べていくのはしんどいし、特に地方はあまり未来が無いように感じていました。
でも、泉佐野アグリカレッジさんでおてつたびをさせてもらって、今までの農業のイメージが覆されました。
実際にやっている人から話を聞くことってなかなか出来ないですし、泉佐野に来て良かったです。

吉元さん:泉佐野アグリカレッジさんは若い人が多くて、新しい取り組みもいっぱいされていたのが印象的でした。
私は、‟農業”ってひと口に言っても、やり方次第で人や土地やものを十分に生かすことができるのだと感じました。日本の農業で、まだまだこんなに面白いことを考えている人たちがいるんだ、ってわかるとワクワクしますよね。
農業は、課題もあるぶん、いろんな角度から挑戦していけるなって気付いたので、農業と、地方の活性を一緒にやっていけるかたちを探していきたいです。

小林さん:農業は、商品にこだわって売り上げにつなげていくというのがかっこいいなと思いました。農産物そのもののブランディングで売り上げを上げているんです。すごいですよね。
農業だけじゃなくて経営のことも学べましたし、濃い一週間を過ごすことができて、とても勉強になりました。ありがとうございました。

――みなさん、素敵なお話をありがとうございました!

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⭐おてつたび先情報

大阪府泉佐野市

◆泉佐野市公式HP
http://www.city.izumisano.lg.jp/

◆泉佐野市観光協会HP
http://www.kankou-izumisano.jp/

◆泉州ブランド
http://brand.sen-shu.com/

⭐今回のおてつたび先

◆泉佐野アグリカレッジ(株式会社泉州アグリ)
https://otetsutabi.com/businesses/242

HP:https://www.agri-col.com/about.html
http://www.s-agri.jp/

🐝おてつたび公式HP🐝

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