見出し画像

「おてつたびは『関係人口』を作るのに、もってこいのサービスだと思った」【おてつたび/受入先インタビューvol.11】(鳥取県・株式会社スマイルキューブ)

鳥取県でアウトドア事業を営んでいる都築法明(つづき のりあき)さん。「鳥取の豊かな大自然を、一年中楽しんでほしい」という想いから、指定管理事業者としてキャンプ場やスキー場など8箇所を経営しています

都築さんがおてつたびを利用するようになってから3年。訪れたおてつびと(おてつたびの参加者)はのべ111名。なかには何度も都築さんの施設にお手伝いにくるリピーターも多いんだそう。

今回は、都築さんにおてつたびの魅力や生まれたつながりについてお聞きしました。

熱い想いでアウトドア事業を展開する都築さん

おてつたびを利用したきっかけ

おてつたびって人手不足に悩む事業者が利用することが多いと思いますが、うちがすごく人手不足だったか、というとそうではなくて。実は、鳥取県から「関係人口を増やしていきたい」と相談をもらっていたんです

鳥取県は日本で一番人口が少ない県で、54万人を割りました。県としては、鳥取に関わってくれる人をなんとか増やしたいと思っていて、アウトドア事業者である僕に声をかけたんです。

都築さんが運営してるキャンプ場のひとつ。一向平キャンプ場

僕自身も、あまり知名度がない鳥取県は、意図的に人口を増やす取り組みをしなければいけないと思っていたところでした。

移住相談会がきっかけで定住する方もいるのですが、その後ミスマッチが起きて離れてしまうことが多いのが現状です。

また、地域起こし協力隊で来たメンバーも3年の任期を終えたら地域を離れてしまう人も珍しくありません。定住してもらうためには、何か別の仕組みが必要だと思っていました。

そんな時に知ったのがおてつたびです。説明を聞きながら、人を定着させるための最初の入り口作りに、おてつたびはもってこいのサービスだと感じました。

移住にしろ、地域おこし協力隊にしろ、やっぱり現地を事前に体感することが不可欠。ファーストタッチがとても大切だと思っていました。そのツールとしておてつたびは活用できる!と思い利用を決めました。

おてつたびをどんな風に活用していますか?

2021年3月から、一向平キャンプ場でおてつびとを受け入れ始めました。受付、お手洗いや更衣室の掃除、薪割りや草むしり、サウナイベントの補助などをしてもらいました。

その後、他のキャンプ場やスキー場でもおてつびとを受け入れるようになって、一年を通しておてつたびを利用している状況です。 

リバーサイドひの。サウナのイベント風景
氷ノ山スキー場

最近は活用方法も広がってきました。今年の1月に千葉県の男性を社員として採用したのですが、リモート面接だけだったので双方に不安が残っていて。そこで最終面談と称して「おてつたび」で鳥取まで来てもらうことにしたんです。実際に一緒に働いてみて、お互いに納得したうえで雇用契約を結べたので、ミスマッチが防げてありがたいなと思っています。

おてつたびの魅力とは?


おてつたびは面白くて優秀な方ばかりが来てくれるのが魅力ですね。大学で地方創生を学んでいる学生だったり、社会人経験が豊富な方だったり。さまざま知識を持っている彼らとの交流は、社員の育成にも繋がっていると感じています。

“自分はここでどう貢献できるか”という意識を持っている方も多く「これ作業のやり方を変えていいですか?」と単純作業の効率化を提案してくれたりもして、ありがたいです。意欲のある彼らが、意見を言いやすいような環境作りを心がけています。

また、おてつたびは参加者からレビューを書いてもらえるので、「楽しくて最高だった」「また行きたいです!」というコメントがつくと、それを見て応募する方が増えます。広告費をかけずに宣伝・PRすることができるのも魅力ですね。良い循環が生まれているのを感じます。

おてつたびから生まれたつながり

うちはおてつたびのリピーターがとても多いんです。僕らが求めているのは、できれば何回も足を運んでもらい、関わり続けてもらうこと。だから「今後も募集を出すので、何回でも来てね」と伝えているんです。

リピーターから「3回目ですけどいいですか?」と聞かれることもありますが、僕らとしてもその方が深い関係性を築けるし、嬉しいんですよね。

これまでにおてつたびを7回利用して、キャンプ場のある琴浦町の地域起こし協力隊になってくれた方もいます。彼女は東京のキャリアウーマンだったのですが、琴浦町の自然やサウナに惹かれて年に数回訪れるようになり、鳥取で新しい道を進もうと2023年に移住してきてくれたんです。

2023年、琴浦町の地域起こし協力隊になった吉野さん

他にも、おてつたびの後にライターとしてキャンプ場を手伝ってくれている方や、長崎や大阪から何度も足を運んでくれる方もいます。「働くなら都築さんのところがいい」と言ってくれるので、めちゃくちゃ嬉しいですね。

おてつたび後もライターとして関わってる早川さん

今のところ、2回以上来てくれているリピーターは12名。来てくれた方のうち約1割が再訪し、関わり続けてくれています。人との関係性がちゃんと築けたら、繋がりは距離をかき消すのだと実感していますね。

おてつびとを受け入れる際に大切にしていること

僕は、来てくれた方と徹底的に交流します。初めましてのタイミングでは、まず僕らの想いを伝えています。僕らはスポットワーカーがほしいわけではなくて、鳥取と深く関わってくれる関係人口を作っていきたいんだ、と。

そして同時に、参加者のみなさんにも「なんでおてつたびをやろうと思ったの?」「なんでうちを選んでくれたの?」と彼らの想いを聞いています。

僕らはいろんな方の、いろんな意見を伺いたい。ありがたいことに、今は募集を出すとすぐにたくさんの応募がきます。僕は目的意識が高い方に来ていただきたいので、採用する際は慎重に応募内容を見て、来てもらってからは対話を大切にしています。

おてつたびの利用を検討している事業者や自治体にひとこと

自治体の中には、移住や定住をゴールにしているところも多いと思います。でも、いきなり移住というのはハードルが高いですよね。

僕は、人を定着させるには「おてつたび」というサービスは必要不可欠だと思っていて、行政にも言い続けているんです。実際にうちの地域の行政担当者には、何度も現場を見に来てもらっています。こんな風に交流が生まれているんですよって。

移住や定住は簡単ではないけれど、困った時に「おてつたびで来て手伝ってよ」と言える関係性づくり、それこそまさに関係人口・交流人口だと思うんですよね。

おてつたびを利用することにより、“関係人口“というものが表面的な言葉にとどまらず、確実に“実“になっているということを、ぜひみなさんにもお伝えしたいですね。

🌱おてつたび先情報


お手伝いが必要な事業者さまへ

▼おてつたびの最新情報はこちらで発信しています◎▼

Facebook
X(Twitter)
Instagram

【取材・執筆:やまくぼ(おてつたびライター)】

この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?