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非凡夫婦ツマ産みの親!母と行く(?)桜島一周サイクリング

こんにちは。非凡夫婦の「ツマ」です。

先月、私の母と鹿児島県2泊3日旅行をしてきました。
というのも母がテレビ番組でやっていた「桜島一周サイクリング」の特集を見て感化されて、自分もやりたいと言い出したので同行した次第です。

もう何十年も自転車に乗っていない70代の母の無謀な挑戦は果たされたのか?


I. 桜島一周をおすすめしない自転車屋

桜島へは鹿児島港から桜島フェリーで15分ほど。
船内のうどん屋さんが名物と聞き、うどんに目がない母娘は1杯を分け合いました。

味は確かに美味しいですが、岡山県出身の母は知る人ぞ知る宇高連絡船のうどんで育った(?)生粋の讃岐うどんファンなので、九州のやわ麺はちょっと合わなかったようでした。

9:45
桜島港フェリーターミナルを出てすぐに、懐かしさを感じる手書きの看板を掲げているのが「桜島レンタカー・レンタサイクル」さん。

直行して、店の奥で作業されている男性に声をかけます。

「桜島を一周したいんですけど・・・」

と言うと、「坂ばかりできついよ~」とご主人。

「すぐ目の前の坂なんて比じゃないよ。下りも下りできついし。」
「スピード出し過ぎで一回転する人もいるんだから。」
「壊れた自転車が表に置いている赤い自転車だよ。」
と、桜島一周を全然オススメしてくれません(笑)

「周辺を自転車でちょっと走るのがオススメ」とのこと。
でも私は埼玉から京都までの長距離走行も経験があるし、普段からマラソンのトレーニングもしているので一周36kmの距離は何でもないぞ!と思い決行を固く決意。

しかし普段から自転車に乗らない70代の母は一気に自信喪失・・・。

母は泣く泣くバスで観光することにしました。

島を一周するバスはコロナ禍での乗客減少で廃線したまま現在まで復活していません。
桜島一周を目的に鹿児島まで来た母の夢がかなえられず気の毒でしたが、止むを得ません。

仇を打たん!とばかりに(?)桜島一周を固く決意した私は、マウンテンバイクをお借りしました。

桜島レンタサイクルさんは1時間300円という破格の料金設定ですが、スポーツバイクの取り扱いは多くはないようです。
料金は高いですが、スポーツバイクを借りたい場合は、フェリーターミナルから徒歩10分の「桜島ビジターセンター」で借りるのが良いかもしれません。
(桜島レンタサイクルではママチャリも借りられます。)

桜島レンタカー・レンタサイクル

II. 危険と隣り合わせ

10:00
ご主人から「時計回りだと下りが多くてオススメ」という説明を受け、スタート。
海側を走れるという点でも時計回りが無難です。
 
走行を始めてすぐに「噴火警戒レベル」を示す電光掲示板を発見。
この島に住む方、いや、桜島近隣に住む方々は噴火の危険と隣り合わせであることを実感しました。

道路脇を見るといたるところに退避壕があります。
これも私達の日常には見かけない風景です。
いま桜島にいるんだ、と強く認識した瞬間でした。

この日は警戒レベル「3」でした。
退避壕

10:30
8kmほど進み、白浜温泉を通過したあたりから険しい山岳地帯に入ります。
ここ、想像以上にきつかったです・・・。
これが何度も続いたら心がくじけそう・・・とビビりましたが、激坂はこの1度きりでした。

必死こいて登っているとおばあちゃんが「えらいねえ。頑張ってー!」と応援してくれ、元気が出ました。
おかげさまで一度も自転車を降りることなくなんとか峠を越えました。

III. 噴火口が見えた!

11:00
無事に峠を越えると再び海が現れ、目を凝らすと遠方に何かが浮いているのが見えます。

養殖設備が見える

海苔の養殖か?と思いましたが、鰤(ブリ)だそうです。
ちなみに南側はカンパチの養殖が盛んだそうですよ。
こちらの記事を参照↓

11:15
ほぼ半周して、噴火口が見えました。
鹿児島市や桜島港フェリーターミナルからは噴火口が見えず、煙もよく分かりませんでしたが、ここにきてやっと見ることができました。

噴火口

道路わきには大きな溶岩がひっそりと立ちはだかっています。噴火口から飛ばされてきたのか、溶岩流が冷えて固まったのかはわかりませんが、噴火の爪痕を感じました。

道路わきに突如現れる大きな溶岩

更に進むと何も流れていない川(?)がありました。これは噴火の際に発生した土石流を受けるための堰堤(えんてい)だそうです。

堰堤

IV. 埋没鳥居

11:30
桜島で最も見てみたかった埋没鳥居(腹五社神社)に到着。
大正3年の桜島大噴火の際、3mの鳥居が笠木だけを残して火山灰に埋もれてしまったという遺構。
鳥居は神域への入り口の為、村民は掘り起こそうとしましたが、当時の村長が「噴火の記憶を後世に残そう。」と発掘を中止させたそうです。

埋没鳥居
大正噴火(1914年)にて1日2mもの火山灰が積もった

鳥居の奥に進むと趣深い本殿があります。
当時のものは火山灰に埋もれてしまったため、現在あるのは新しい本殿です。

赤い賽銭箱には芳名帳が置かれていました。
中を見ると北は山形、西は福岡まで全国各地から多くの方が来ていました。
私も記名し、後にしました。

本殿への案内看板
自然の中に佇む本殿
新しい本殿はコンクリート製
本殿の中
お賽銭箱と芳名帳

12:00
埋没鳥居から30分ほど進むと桜島口交差点です。
この交差点、なんと大隅半島に向かう道と交わる場所なのです。

そう、桜島は現在、大隅半島と陸続きなのです!

しかしかつては四方海に囲まれた完全なる「島」でした。
腹五社神社の鳥居を埋めてしまった大正噴火の際、溶岩が流れ出て桜島と大隅半島を繋いだということです。

ということで、この交差点で左折すると桜島を出てしまいますのでお越しの際はご注意ください!

桜島口交差点
左から伸びる道路は大隅半島に続く
左手には森が広がる

V. みやげは軽石で

12:15
有村溶岩展望所着。
道沿いに商店が並んであり、その一角に「たんかんジュース」が販売されています。
鮮やかなオレンジ色にそそられて1杯購入。300円でした。
・・・これが疲れ身体に染みる、染みる。
甘すぎない、程よく酸味があるさわやかなお味がサイコーに美味しかったです。

たんかんジュース

展望所には溶岩を間近で見られるコースがあります。
せっかくなのでコースを回ってみることにしました。

有村溶岩展望所コース
大量の溶岩が間近で見られる

絶景の桜島を眺めると、噴火の歴史と植物の成長との関係がよくわかります。
まず手前は大正溶岩が残っている場所で、そこそこ植物が育っています。
その先は昭和溶岩で手前側より新しいため、地肌が見える箇所があります。
その奥は古い溶岩なので、森が戻りつつあります。
植物の成長には時間がかかるなあ、と時間しつつ、溶岩まみれの土地に再び芽吹かせる植物の強さに感嘆しました。

植物の育ち具合が分かりやすい
上の写真と照らし合わせて見て下さい

ところで、私はこの時、オットへの鹿児島旅行みやげをまだ買えていませんでした。
あまり物を持ちたがらないオットにはご当地グッズなどは論外、食べ物についても加工品をあまり好まないのでお菓子の類も違うなあと思っていました。

そこでせっかく桜島に来たのだから軽石を持って帰るか、と思い立ちます。
オットは理科教員なので、興味はなくなかろうと思った次第です。

足元を見ながらコースを歩き、持ち帰れそうな小さめの石を見つけました。
しかし「軽」石のわりにそこまで軽くなく、自信がありません。

これは軽石か?

コースを回り終えて再度商店に立ち寄ると、軽石を売っていました!

私の手に収まっているそれと比べるとまず色が違う。

・・・本物の軽石は白いんですね。

商店のおじさまに手元の石を見せると「これは溶岩だね。」と。

そしてどうやらこの展望所一帯はジオパークなので、岩石の持ち出しは禁止されているそうです。

というわけで、商店で販売している「軽石」を購入することにしました。
小さいものは1つ10円です。

その他、何か地元の食べ物を買いたいなーと思い商品を眺めていると、商店のおじさまが案内してくれました。

「これオススメだよ。地元の人が買っていっちゃうくらい。本当は観光客の人に食べてもらいたいんだけどね。」

そう教えてくれたのは「安納芋チップス」です。

そういわれちゃあ買うしかないと思い手に取り、その他、飲み物とたんかんキャンディも購入したら先ほどの「軽石」代はおまけしてくれました。

その商店の前には物語に出てくる”大きなカブ”を彷彿させるものが展示されていました。
良く見るとその脇に「桜島大根」と書かれた種が売られています。

ギネスブックにも認定された世界最大の大根だそうですよ!

軽石(後日撮影)
軽石の説明
安納芋チップス(帰りのフェリーで撮影)
桜島大根とその種

VI. 7万5千人が集まった

12:45
有村溶岩展望所を出発すると、あちこちで小袋が沢山括り付けられている背の低い樹木が沢山目につくようになりました。

これが何か、後で誰かに尋ねようと思って写真におさめましたが結局聞くのを失念してしまい正体は分からずじまいですが、”たんかん”ではないかと想像しています。
※記事を読んだ方からビワではないか、と教えて頂きました。

たんかん?

13:15
赤水展望広場着。
ここには2004年に長渕剛が行った桜島オールナイトコンサートの記念碑「叫びの肖像」が建立されています。

コンサートにはなんと約7万5千人が集ったそうです。
東京ドームのコンサートの収容人数が5万人ほどであることを思うと、いかに大きなイベントだったかが想像できますね・・。

ちなみに令和2年度の国勢調査での桜島の人口は約3600名です。

叫びの肖像

13:30
赤水展望広場沿いのスーパーマグマロードを走っていると、特徴的な街灯が目に入ります。

パイナップル?な街灯

トゲトゲの葉と南国の雰囲気が相まってパイナップルが彷彿されますが、それにしては実の部分が白いし丸いしで再現度が低いなあと思っていると、記憶が呼び起こされました。

そうです。「桜島大根」です!!

大根はフルーツなどと違って日常的な食べ物なので、それが桜島と肩を並べて街灯のモチーフなるまで主役を張っている姿を見て、少しほっこりした気持ちになりました。

コレです、コレ!

VII. 桜島は龍の顔?

13:30
ビジターセンター着。

少々、中の展示室を見学しました。
入ってすぐのところに桜島全体をミニチュアにした模型があったので、ぐるっと一周して、本日立ち寄った各所から見える桜島を撮影してみました。

「埋没鳥居」から見える桜島
「有村溶岩所」から見える桜島
「桜島港フェリーターミナル」から見える桜島

また、桜島の河口を上から撮影すると、龍の顔に見えたのですが伝わりますでしょうか?

龍の顔に見える?
「大正噴火」の様子
溶岩は300円で販売していました

13:45
桜島レンタカー・レンタサイクル着。

それなりに観光して、私の脚で4時間で一周できました!
途中アップダウンはありますが、私は一度も自転車を下りることはありませんでした。

普段運動をされていたり、自転車に乗り慣れている方(スポーツバイク以外も含む)であれば楽しめるコースだと思います。

しかしやはり序盤の山岳地帯の激坂だけはちょい気合が必要です!

今回の走行距離36km
桜島港ターミナルから時計回りで一周

桜島港フェリーターミナル

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こんにちは。
或るアラサー夫婦の非凡な日常の「ツマ」です。
今回の記事をお読み下さりありがとうございました!

私達夫婦はソロモン諸島という南の島で出会いました。
体力をあり余らせている私達は夫婦で冒険旅をしたり、ボディービルダーを目指して筋トレに励んだり【オット】、マラソンにハマったり【ツマ】と非凡な日常を送っています。
このアカウントでは、その暮らしぶりを記事にしてまとめております。

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