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私の考えるポスト資本主義へのシフト【後編】

もう少し具体的に言うと、「あなただからこそ救いになれるソーシャルマイノリティ」が見えると、それをより具体化する必要がある。つまり、より自分の思いに臨場感を持たせることである。世の中には根本的に思いの重なる人が多くいる。それは組織の中であれ、外であれ、見つけていこうとすれば現在ではオンラインサロン、NPO、NGO、他多数のコミュニティが複数存在しているはずだ。もはや、会社の中だけで成長できる時代ではない。なければ自分で作るもよしである。そんな風にして様々なコミュニティに参加しながら、自分が自分らしくどのように関われるのかを学び、つながり、経験し、探求する。そうすると今度は”思い”が生まれてくる。そのうえで、企業というフィールドを通じて、組織内外の専門家や共感する人たち、思いを同じくし、高い技術力を誇るスタートアップ企業などとビジョンを重ね合わせ、共創しながら形にできるオープンな場があれば、社会にとって大きな力に転換されるはず。企業にはこのように「成果ドリブン」ではなく、だれもが「自分の本来性ドリブン」の社会創造が可能になる機会をデザインしてもらいたい。このようにして働く人たちに「自分を生きることが誰かの救いである」という実感が生まれ、成長を実感できて、さらなる挑戦意欲を高める。そして世に「GIVE」「GIFT」の進化が生まれ、「持つ者が与えていく心」が自然と磨かれる新しい仕組みがつくられていく。

4.イノベーションの質的転換

つまりは、こうした人の本来性に根差した社会創造が可能になる機会を通じて、世の中で流れるお金の意味や価値が変わり、資本主義という社会構造をシフトさせる。このようにして起こる「お金がなくても回る世の中」に向かうための新世界創造のことを、「本物のイノベーション」と完全定義されるようになることが私の描く理想のポスト資本主義へのシフトである。それは、この時代に生きる人類に課せられている大きなチャレンジのように思う。そのためには、経済的影響力の強い大企業は自らポスト資本主義の社会創造リーダーになりうるのであり、その役割を担ってもらいたいと切に願う。何度もくどいようだが、資本主義構造のパラダイムの中での価値創造や社会課題解決は本質的には未来のためになることはなく、結局はこのまま縦と横の分断を助長し、誰も幸せにならない循環への一途である。

5.ひとりひとりのセカイ創造**

また、大企業とは別に一人一人は自分の本来性に基づく豊かなセカイを創造し、どんどん発信するといい。なぜなら、そのセカイに共感が生まれるとコミュニティになる。そうしたコミュニティが増えていくと、それが上述したような社会創造のためのチャレンジの場もおのずと増えていくからである。このように、一人一人が自分の創造したいセカイを様々なメディアで表現し、コミュニティを創る一方で経済構造を変える影響力を持つ企業の人たちが自分自身の本来性を活かすために触発されながら、ともに新しい社会づくりを加速させる。こうして、2つの作用のマージで世界が次のステージにシフトしていく。

つまり、、、新しい世界を創るのは誰だ?

それは、まぎれもなく私たち全員であり、一人一人の手に委ねられている。

そして、すでにこの萌芽は少しずつ起こり始めているはず。

こうしたことを書くと

「現実的にさ、、」

ということを言い放つ人に出会うことがある。人や組織の変革に携わってきて、あらゆることに言えると実感しているが、問題は現実的に可能か不可能かではなく、未来を見据えたうえで、やりたいかやりたくないかの2択のみである。

現実の先に未来を見据えるな 未来から現実を見据えろ

私のモットーの1つである。

私はそんな風にして、しなやかに本質的なシフトを加速させていきたい。

*注)セカイ(私の造語)=一人一人から認知されている世の中の姿

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