#9 ”憎んでも恨んでもいいから忘れないで”
親の影響で車の中ではよくTUBEがかかっていました。当時父が乗っていたパジェロには、TUBEのアルバムを焼いたカセットがいっぱいあって、その時の気分でなんか色々かけていた記憶があります。
大きくなり、世の中で出回っている言葉の大体を理解するようになったころ、この曲がテレビ(なんだったか忘れたけど、Mステとかでよくある夏うたヒットランキングみたいなやつ)で流れていて、結構衝撃を受けました。
そうです。TUBEの『さよならイエスタデイ』
なんで衝撃を受けたかって、歌詞がえぐいんですね。
あなたの胸の中で少女を
脱いで女になったあの夏
火傷しそうなほどに燃えて
消えたロマンス
憎んでも恨んでもいいから忘れないで
本気だった愛してた
さよならイエスタデイ
「あなたの胸の中で少女を脱いで女になったあの夏」ですよ??
ストレートにいうよりエロい表現です。ちなみに、昔YouTubeかなんかでこの曲のコメント欄に
「あなたの胸の中で少女をと言っているのですか?それとも処女って言っているのですか?」っていう質問があって、その答えに
「どっちも大して変わらん」って書いていた人がいて笑ってしまいました。
さて。
この曲に今またハマってまして、ちょっと思いや解釈を共有したくnoteにしました。
ていうのも、めっちゃドラマチックじゃないですか?この曲。
歌詞に出てくる【主人公】は結婚を控えた女の人。「普通に嫁いでいく」んだけど、(おそらく)初恋の人を引きずっている。
「今となりゃ懐かしい目眩の口づけ」も、「女になったあの夏」も、ちゃんと覚えている。
そして、「憎んでも恨んでもいいから忘れないで」ですって。まあ未練がましい。
ですけど、最後の「さよならイエスタデイ」でもうすべて吹っ切れて(おそらく)嫁ごうとしている。サビのラスト1行で未練を吹っ切るという完璧なオチ。
そして2番。また未練タラタラ。「叶わぬ約束は今でも覚えている」と言っているので、何らかの理由で一緒にはなれないのでしょうね。「タバコの匂い」も思い出す。
「あれから数え切れぬ男と夜をともにしてきたけれど」と、《少女から女》になってから貞操観念が外れた模様(笑)
でも、駆け引きばっかりで結局「純情」ではなかった。そして…
ゴメンネ許さない
大嫌いでも大好きよ
矛盾だけに正直だった
さよならイエスタデイ
この曲のパンチラインです。(個人的意見)
(男)「ゴメンネ」
(女)「許さない。大嫌い。…でも大好きよ」
っていったところでしょうか。言っていることは矛盾しているけど、これが本心。そういうしかない。っていう描写が忠実。
だけどここでも未練を断ち切る「さよならイエスタデイ」という言葉。やっぱりもう忘れて嫁ごうとしている。
といった解釈をしてみました。たぶん違うかもしてないし、あっているかもしれない。答えは前田さんしか知らないのかも。
この前田さんの芸術的な詞に、春畑サウンドが乗っかる。個人的にはこの曲は春畑さん作曲の中でも指折りの傑作だと思う。
今回は『さよならイエスタデイ』でしたが、機会があればほかの曲もしてみたい。
もうすぐ夏が来ます。令和最初の夏。
「夏は人を恋に落とさせるちょっとした何か」があるっぽいです。
知らんけど。
今年も街やテレビやラジオでTUBEが聴けるかな。
リメイクバージョンもめっちゃ好き。ラテンな感じが増してかっこいい。