【#51】1996年の日本、チョベリグっていう感じ?
【社会編】
バブルが遠のきつつあった。
それまでは一万円札を片手にタクシーを止めていたOLたちの見る影はなくなり、代わりに勝手気ままに振る舞い始めたのが女子高生を中心とする『コギャル』であった。
コギャルが発信する言動はひとつの文化といってよいほどだった。コギャルの日常語『チョベリバ』『チョベリグ』は、流行語大賞にランクイン。
「ラブラブ」「固まる(対応に困ったとき、驚いたときに動けなくなること)」など、今でも使われている言葉も生み出した。
そんなコギャルたちのカリスマとして大ブレイクしたのが安室奈美恵である。アルバム『SWEET 19 BLUES』はトリプルミリオンを達成するなど、圧倒的な人気であった。
アトランタ五輪では柔道が健闘した。野村忠宏など、3名が金メダルを獲得。YAWARAちゃんこと田村亮子(現在は、谷亮子)は、バルセロナ五輪に続き銀メダルだった。
有森裕子は、マラソンで銅メダルを獲得日本女子陸上初の2大会連続メダル獲得を果たした。ゴール後に口にした、「初めて、自分で自分をほめたい」という言葉は流行語大賞となった。
五輪の予選でサッカー日本代表がブラジル代表に勝利した『マイアミの奇跡』も忘れてはいけない。
リバウドなどのスーパースター軍団に、怒涛のシュート28本を打たれながらも0点に抑え、相手の守備陣を徹底分析したことで1点をもぎとった。
この時の監督は、ロシアW杯でも監督を務めた西野朗である。
【文化編】
「月9」枠で放送された『ロングバケーション』が大ヒット。
主演は木村拓哉が、ヒロインは山口智子が演じた。
売れないモデルとピアニストが同居し、互いが大切な存在になっていくストーリーに多くの女性が夢中になり、「月曜日は女性が街から消える」と言われた。
【ゲーム編】
★Nintendo64★
この年に最も売れたゲームソフトは『マリオカート64』(224万本)だった。そう、『Nintendo64』が6月23日に発売されたのだ。次に売れたソフトも『スーパーマリオ64』と、任天堂が強さを見せつけた。
★セガサターン★
『THE KING OF FIGHTERS '95』(1996年3月28日/SNK)が発売された。
専用の拡張ROMが同梱されており起動に必須となる。その性能は劇的であり、ロードが驚くほど速く操作性も滑らかだった。
プレステに対し、格ゲーの移植度が高いのがサターンの魅力の一つであった。
私は、サターンでKOF95ができる素晴らしさ、そしてKOF95自体の素晴らしさに興奮し、それらの魅力を作文に書いて先生に提出してしまったほどである(黒歴史)
★プレステ★
『バイオハザード』(1996年3月22日/CAPCOM)が発売された。
徹底した恐怖演出、豊富な謎解き、弾薬制限のシビアさなどで、「サバイバルホラー」というジャンルを確立した作品である。
発売当初は全くの無名であったが、口コミにより評判が広がり、最終的にミリオンセラーを達成した。片腕が異様に発達した敵『タイラント』のマネを友人がよくやっていた。
このように、ゲーム業界は『次世代機による熾烈な争い』が繰り広げられるはずであった。
★ゲーム界の怪物★
発売から7年たち『終わったゲーム機』と言われていたゲームボーイに、怪物ソフトが誕生する。それが『ポケットモンスター赤・緑』(1996年2月27日発売/任天堂)だ。
優れたキャラクターデザイン(かわいい&個性的&特徴がよくわかる)と、通信の楽しさ(交換できる、対戦できる)で、携帯ゲーム機の未来を切り拓いた作品。
このゲームがなければ、「ゲームを携帯する」という発想の『Nintendo Switch』は生まれなかったかもしれない。
私は、豊富にあったバグ技(アイテム増殖など)で楽しんでいた。バグって、誰か発見したんでしょうね。
★この年のヒットゲーム★
【ヒット曲】
Mr.Children「名もなき詩」
JUDY AND MARY「そばかす」
PUFFY「アジアの純真」
SPEED「Body & Soul」
猿岩石「白い雲のように」
【ドラマ】
銀狼怪奇ファイル(主演:堂本光一)
ナースのお仕事(主演:観月ありさ)
【セガ編】(ゲームに関心がない方は読み飛ばしてください)
『サクラ大戦』(セガ)が1996年9月27日に発売された。
一流クリエイターが結集して作った名作。
まず、オープニングに圧倒される。主題歌の『檄!帝国華撃団』はシングルCDがオリコン15位という快挙を成し遂げている。
「走れー、光速のー!!てーいこーくかげきだん!!」という歌詞は、聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
各キャラが歌う『サクラ大戦「帝撃歌謡全集」』のアルバムは、iphoneに入れて今も聴いている。特におすすめなのが「花咲く乙女」。
アドベンチャーパートでは、主に美少女とやり取りをするのだが、デザインも人柄も「萌え」という感じではない。それもそのはず、原案は藤島康介氏が担当したからである。
また、それぞれコンプレックスを抱えていたり心に傷を負っていたりしていて魅力がある。ちなみに、一番好きなのは神崎すみれ。大人の女性の魅力と泣きボクロのセクシーさを教えてくれた。
戦闘パートは簡単・・・・・・と言われているが、当時小学生だった私には歯ごたえがあった。終盤はギリギリの戦いが続き、けっこう緊張したものである。
主人公の大神やメインヒロインの真宮寺さくらの必殺技は特にかっこよく、「狼虎滅却!!」「破邪剣征!!」などと言いながら傘を振り回したものである。
そして、クリアしてから、ある意味本当の戦いが始まる。「帝劇の長い一日」というオマケが遊べるのだが、一部のミニゲームが超アツい。
特に一番やり込んだのが、「お掃除しちゃうぞ」。部屋を掃除するだけのゲームなのだが、その部屋がとんでもなく広い。奥行きは推定10kmほどある。ねずみや障害物に一度でも当たるとアウト。
「こいこい大戦」も忘れてはいけない。
単なる花札なのだが、8人抜きしないといけないのが厳しい。本編よりこっちの方がプレイ時間が長かった人もいるらしい。このミニゲームで花札を覚えたのは、私だけではないはず・・・・・・。
美少女✕他ジャンルという形式は、現在のスマホゲームにも影響を与えたといわれている。
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