![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134734598/rectangle_large_type_2_b261299e5384688f2cad4dd4f2b338c5.png?width=800)
”南”ちゃんVS”南”の島←アクセントが違う
『タッチ』って、スゲー。
野球のルールを知らない妻が、夢中に読んだ野球漫画だからだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1706509532709-O9svRkMCfO.jpg?width=800)
『タッチ』は野球を知らなくても楽しめる点がスゴイ!!
見出し画像に使った「南ちゃん」は、あだち充『タッチ』(完全版)3巻
p3です。
私も久しぶりに読んだ。
そこでふと思う。
この子って、”南ちゃん”だよな。
![](https://assets.st-note.com/img/1711084277843-h9erZcNyC1.jpg)
p252
この"南ちゃん"の発音を、脳内再生していただきたい。
脳内再生が難しい場合は、下のyoutubeを再生していただくと、わかりやすいかと思う。
(私が発声したものです。ボイスチェンジャーで声を変えてあります)
南ちゃんの発音は、
![](https://assets.st-note.com/img/1706594981800-WLSxKBzy9i.png)
だ。
1音目が高く、2・3音目は低い。
【わかりにくい方へ】
◆1音目の「み」はドレミファソラシドの「ミ」
◆2,3音目の「なみ」は「ドド」
だと感じてください。
つまり、「みなみ」という具合です。
一方、方角の「南」は、
![](https://assets.st-note.com/img/1706595133779-MXj253kxwG.png)
である。
こちらもyoutubeを用意した。「南の島」と発声している。
1音目が低く、2・3音目は高い。
音階で表わすと、「みなみ」である。
同じ「南」であるのに、アクセント(音の高低)が違う。
一体、なぜなのか??
というわけで今回のお題。
![](https://assets.st-note.com/img/1712102065030-h4JCfwL5Zq.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1712102800525-uxrmlGLWhu.png?width=800)
0.高低アクセントについて
(読み飛ばしてもOK!)
英語の「強弱アクセント」に対し、日本語は「高低アクセント」である。
![](https://assets.st-note.com/img/1706769130449-mgaK7gs2us.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1706773619522-atxxD5Reh0.png?width=800)
『海は~広いな~大きいな~♪』という歌の「海」と同じ!
理解しづらい方は、ピアノの音(ドとミ)でイメージしてはどうだろうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1706773862441-ILixZpDwlJ.png?width=800)
このように、日本語は「高低アクセント」なのである。
1.他の方角はどうなのか?
「南」以外にも、方角が名字(人名)である人はいる。
東さん、北さん、西さんなどだ。
それらの人名のアクセントは、方角と同じなのだろうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1706595920524-4GOD4F26gA.png?width=800)
なんと、人名と方角でアクセントが違うのは、「南」に限らないではないか。
うーん、南以外も同じなんだなぁ。
![](https://assets.st-note.com/img/1711085359882-Vu00hlHfdK.png?width=800)
2.方角以外はどうなのか?
では、方角以外に”一般的な名詞”はどうだろうか。
名字の一覧を見て、人名になるとアクセントが変わるものをいくつか抽出してみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1712103458852-x0hqDaYNvu.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1712103501421-5senMbT2v9.png?width=800)
たしかに、柔道家の「ヤワラちゃん」こと、田村亮子さんが結婚して谷亮子さんになったときは、
変わった発音だな
と思ったものである。
(当時、柔道をやっていたので鮮明に覚えている)
![](https://assets.st-note.com/img/1706597880013-CcFslYOeSR.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1711085440488-2KkVsjD87a.png?width=800)
3.人名アクセントを並べてみる。
人名になると、アクセントが変わるものはたくさんあることはわかった。
では、人名となったものに規則性はあるのだろうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1706598180219-4AOjuZSrk2.png?width=800)
すべて「一音目は高く、二音目から低くなる」という規則がある!!
これは重大なヒントなのではないだろうか?
もしかしたら、人名(苗字)はすべて「一音目は高く、二音目から低くなる」という規則があるのかもしれない。
さっそく、日本で多いとされる名字のアクセントを見てみよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1706600066641-1YwwS0sw8C.png?width=800)
規則性、ないやないかーい\(^o^)/
どの人名も「一音目と二音目の高さが違う」という規則性はある。
だが、これは基本的にすべての単語に当てはまる規則(=人名以外にも当てはまる規則)なのだ。
【補足】「一音目と二音目の高さが違う」という規則
繰り返しになりますが、共通語アクセントの場合です。
京都、大阪、四国地方、東北、九州などでは当てはまらない場合があります。
うーん、なかなか謎は解けない。
4.そもそもアクセントは、なぜ存在する?
アクセント(音の高低)は、なぜ存在するのだろうか。
「目の前に、ニワトリがいる」
文字ではなく、音声でこう聞いたとする。
あなたは、どのような状況を思い浮かべるだろうか?
⬇️⬇️
![](https://assets.st-note.com/img/1706601511715-QFkVuLME30.png?width=800)
実物を近くで見るとけっこうコワイ。
このように、鶏を思い浮かべた人がほとんどではないのだろうか。
しかし、
「目の前に、ニワトリがいる」
には、別の解釈もできる。(10秒考えてみてください)
⬇️⬇️
![](https://assets.st-note.com/img/1706601832492-NzSjzGOTok.png?width=800)
かわいいネ。
つまり、
ニワトリがいる
という情報は、
◆鶏がいる
◆二羽鳥がいる
という2つの解釈ができるのだ。
しかし、我々は「ニワトリがいる」という音声情報を聴いたとき、「鶏」と「二羽鳥」を区別できる。
なぜか?
アクセントが違うからだ。
「鶏」の場合は、
![](https://assets.st-note.com/img/1711085695122-E5XNpjA6I6.png?width=800)
である。
(↓わかりにくい方へ。ピアノ版です)
一方、「二羽鳥」は、
![](https://assets.st-note.com/img/1711087294574-ANFBLFuKuC.png)
だ。
(↓ピアノ版です)
我々はアクセント(音の高低)によって、言葉を判別している。
言い換えれば、アクセントがあるからこそ、言葉を正しく認識できるのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1711088314406-KKP0kVbZvu.png?width=800)
5.アクセントによる判別
YOASOBIというアーティストの「アイドル」という曲をご存じだろうか。
この歌の歌詞に、
はいはい、あの子は特別です
我々はハナからおまけです
という部分がある。
グループの中心的存在に対し、他メンバーが「私たちなんて最初からおまけだよね」といらだっているものだ。
この「ハナ」は「端」と書き、”最初から”という意味である。
しかし私の娘(5歳)は、
「『鼻からおまけ』って、バケモノなの?」
と聞いてきた。
まだアクセントによる判別ができず、「ハナ(端)」と「鼻」だと勘違いしてしまったのである。
(抽象概念である「端」を知らないのも当然であるが・・・・・・)
![](https://assets.st-note.com/img/1711092323061-l5DAxOeMhE.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1711092357535-HhwQOMs4zx.png)
他にも、
彼女はいやらしい
という文を例に挙げよう。
これも、
彼女は嫌らしい(断りたい、好きではない)
![](https://assets.st-note.com/img/1711090115795-ZtxogLL7Ww.jpg?width=800)
と
彼女はいやらしい(性的にみだらである)
![](https://assets.st-note.com/img/1711090127848-Qbz2jchtju.jpg?width=800)
では、だいぶ差がある。
このように、アクセントは日本語を理解するのに重要な働きをする。
そこで、本題に戻ろう。
今回の問いは、
![](https://assets.st-note.com/img/1712103746985-Fln0d2zKKf.png?width=800)
である。
人名の「南」も方角の「南」も、どちらも日常生活において非常に重要な言葉である。
文脈で区別できると思うが、それではいちいち思考の手間がかかる。
そこで、アクセント(音の高低)に違いをつけ、簡単に区別できるようにしたのではないだろうか?
といわけで、結論。
![](https://assets.st-note.com/img/1712103951023-z6y4qvsit6.png?width=800)
自分の考えが100%正しいとは思っていません。
異論・反論・質問があれば、ぜひコメント欄で教えてください😆
![](https://assets.st-note.com/img/1711092408335-NsWPskKfuc.png?width=800)
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