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”南”ちゃんVS”南”の島←アクセントが違う

『タッチ』って、スゲー。

野球のルールを知らない・・・・・・・・・・・妻が、夢中に読んだ野球漫画・・・・だからだ。


我が家の漫画コーナー
『タッチ』は野球を知らなくても楽しめる点がスゴイ!!


見出し画像に使った「南ちゃん」は、あだち充『タッチ』(完全版)3巻
p3です。


私も久しぶりに読んだ。



そこでふと思う。
この子って、”南ちゃん”だよな。


あだち充『タッチ』(完全版)1巻
p252


この"南ちゃん"の発音を、脳内再生していただきたい。

脳内再生が難しい場合は、下のyoutubeを再生していただくと、わかりやすいかと思う。
(私が発声したものです。ボイスチェンジャーで声を変えてあります)


南ちゃんの発音は、


だ。

1音目が高く、2・3音目は低い。


【わかりにくい方へ】

◆1音目の「み」はドレミファソラシドの「ミ」
◆2,3音目の「なみ」は「ドド」

だと感じてください。

つまり、「みなみミドド」という具合です。



一方、方角の「南」は、

である。

こちらもyoutubeを用意した。「南の島」と発声している。


1音目が低く、2・3音目は高い。

音階で表わすと、「みなみドミミ」である。

同じ「南」であるのに、アクセント(音の高低)が違う。
一体、なぜなのか??


というわけで今回のお題。



0.高低アクセントについて
(読み飛ばしてもOK!)




英語の「強弱アクセント」に対し、日本語は「高低アクセント」である。



「雨」は「海」と同じ!
『海は~広いな~大きいな~♪』という歌の「海」と同じ!



理解しづらい方は、ピアノの音(ドとミ)でイメージしてはどうだろうか。

このように、日本語は「高低アクセント」なのである。




1.他の方角はどうなのか?


「南」以外にも、方角が名字(人名)である人はいる。


東さん、北さん、西さんなどだ。
それらの人名のアクセントは、方角と同じなのだろうか?



なんと、人名と方角でアクセントが違うのは、「南」に限らないではないか。

うーん、南以外も同じなんだなぁ。



2.方角以外はどうなのか?


では、方角以外に”一般的な名詞”はどうだろうか。

名字の一覧を見て、人名になるとアクセントが変わるものをいくつか抽出してみた。




たしかに、柔道家の「ヤワラちゃん」こと、田村亮子さんが結婚して亮子さんになったときは、

変わった発音だな

と思ったものである。
(当時、柔道をやっていたので鮮明に覚えている)


(谷亮子さんの画像ではありません)




3.人名アクセントを並べてみる。


人名になると、アクセントが変わるものはたくさんあることはわかった。

では、人名となったものに規則性はあるのだろうか?


すべて「一音目は高く、二音目から低くなる」という規則がある!!
これは重大なヒントなのではないだろうか?


もしかしたら、人名(苗字)はすべて「一音目は高く、二音目から低くなる」という規則があるのかもしれない。


さっそく、日本で多いとされる名字のアクセントを見てみよう。







規則性、ないやないかーい\(^o^)/


どの人名も「一音目と二音目の高さが違う」という規則性はある。



だが、これは基本的にすべての単語に当てはまる規則(=人名以外にも当てはまる規則)なのだ。

【補足】「一音目と二音目の高さが違う」という規則

繰り返しになりますが、共通語アクセントの場合です。
京都、大阪、四国地方、東北、九州などでは当てはまらない場合があります。


うーん、なかなか謎は解けない。


4.そもそもアクセントは、なぜ存在する?



アクセント(音の高低)は、なぜ存在するのだろうか。


「目の前に、ニワトリniwatorigairuがいる」

文字ではなく、音声でこう聞いたとする。
あなたは、どのような状況を思い浮かべるだろうか?


⬇️⬇️





「鶏がいる」
実物を近くで見るとけっこうコワイ。


このように、鶏を思い浮かべた人がほとんどではないのだろうか。


しかし、

「目の前に、ニワトリniwatorigairuがいる」

には、別の解釈・・・・もできる。(10秒考えてみてください)







⬇️⬇️






「二羽、鳥がいる」
かわいいネ。




つまり、


ニワトリがいるniwatorigairu

という情報は、

◆鶏がいる
◆二羽鳥がいる

という2つの解釈ができるのだ。



しかし、我々は「ニワトリがいるniwatorigairu」という音声情報を聴いたとき、「鶏」と「二羽鳥」を区別できる。

なぜか?




アクセントが違うからだ。





「鶏」の場合は、

である。

(↓わかりにくい方へ。ピアノ版です)



一方、「二羽鳥」は、


だ。

(↓ピアノ版です)



我々はアクセント(音の高低)によって、言葉を判別している。
言い換えれば、アクセントがあるからこそ、言葉を正しく認識できるのだ。



5.アクセントによる判別



YOASOBIというアーティストの「アイドル」という曲をご存じだろうか。


この歌の歌詞に、

はいはい、あの子は特別です
我々はハナからおまけです

という部分がある。
グループの中心的存在に対し、他メンバーが「私たちなんて最初からおまけだよね」といらだっているものだ。

この「ハナ」は「端」と書き、”最初から”という意味である。

しかし私の娘(5歳)は、

「『鼻からおまけ』って、バケモノなの?」

と聞いてきた。
まだアクセントによる判別ができず、「ハナ(端)」と「鼻」だと勘違いしてしまったのである。

(抽象概念である「ハナ」を知らないのも当然であるが・・・・・・)




他にも、

彼女はいやらしい

という文を例に挙げよう。

これも、

彼女は嫌らしい(断りたい、好きではない)


彼女はいやらしい(性的にみだらである)


では、だいぶ差がある。



このように、アクセントは日本語を理解するのに重要な働きをする。


そこで、本題に戻ろう。

今回の問いは、

である。

人名の「南」も方角の「南」も、どちらも日常生活において非常に重要な言葉である。

文脈で区別できると思うが、それではいちいち思考の手間・・・・・がかかる。

そこで、アクセント(音の高低)に違いをつけ、簡単に区別できるようにしたのではないだろうか?


といわけで、結論。


自分の考えが100%正しいとは思っていません。
異論・反論・質問があれば、ぜひコメント欄で教えてください😆


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