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現役Jリーガー:畑尾が大切にする「恩送り」と「一歩を踏み出す勇気」とは?

<プロフィール>
畑尾大翔(はたお ひろと)1990年生まれ
出身地:東京都、ポジション:DF
サッカー歴:三菱養和巣鴨ジュニアユース ⇒ FC東京U-18 ⇒ 早稲田大学 ⇒ ヴァンフォーレ甲府 ⇒ 名古屋グランパス ⇒ 大宮アルディージャ ⇒ ザスパクサツ群馬 ⇒ ツエーゲン金沢
取り組み:
・一般社団法人PiiS Fly(https://piis-fly.jp
・株式会社PiiS Road(障害者就労継続支援B型事業所PiiS Plaza さいたま)
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現在の状況について

ー 現役サッカー選手をされながら、取り組まれていることを教えてください
はい。特別支援学校、小児科病棟、放課後デイサービスなど病気で苦しんでいる子どもたちに対する社会貢献活動をベースとした法人(一般社団法人PiiS Fly)を運営しています。またサッカーを通じて、スポーツの面白さだったり、仲間の大切さ、夢や希望を持つことの意味みたいなものを伝えさせて頂いています。通常級や大学に行って講演という形もとっています。

ー 何かきっかけがあったのでしょうか?
ご存知かもしれませんが僕が大学のときに、病気を患ったことがやっぱり一番大きかったですね。その時お世話になった病院の先生方をはじめ、仲間、家族と本当に多くの方に助けてもらい、小さい頃からの夢だったプロサッカー選手になるという夢を叶えることができました。
もちろんピッチで活躍することが恩返しとしての第一歩ですが、その方たちからいただいたモノを”恩送り”という形で「誰かの活躍の場を増やすことができるんじゃないか」、「自分の病気の経験が活かせるんじゃないか」って思いからたどりつきました。もともと子どもが好きだったということもあります。

ー その後、就労支援事業所を開設されたのですね
病院に入院している子どもや特別支援学校に通っている子どもたちに対して一方的に訪問しておしまいじゃなく、サッカー選手で言うセカンドキャリアじゃないですけど、みんなのその後の人生へ何か寄与できないかなってぼんやり考えていました。
訪問活動を行うなか、ある親御さんの言葉で「18歳までは社会的な居場所があるけど18歳を過ぎる頃に急に居場所がなくなるんですよね」って話された方がいました。つまり、特別支援学校があるので18歳までは社会的にも居場所があるけど、卒業した後の活躍の場が少ないという社会課題があるなって。それを聞いたとき、これまで自分が抱えていた課題とうまくリンクできそうだなと思いました。それからは多くの方に相談し、意見をいただきながら、就労支援事業所を開所する運びとなりました。

ー 具体的に行動に移す出来事があったのでしょうか?
プロサッカー選手になってからも、ピッチ上での活動以外で何かできたらいいなってずっと考えていました。大学卒業後に入団したヴァンフォーレ甲府では毎年一度、同じ特別支援学校にクラブスタッフ・選手全員で行くんですよね。偶然かもしれませんが毎年同じクラスへ伺うことができ、同じ顔ぶれに会え成長する姿が見れ、仲も深まっていきました。僕はもちろんですが、生徒のみんなも僕のことを覚えてくれていてとても嬉しかったです。「去年こういうことを話したよね」みたいなとこも話してくれました。
子どもたちが他の選手より、”畑尾選手”みたいな感じになってくれたのもすごく嬉しかったです。こういった活動を個人のレベルでやっていくことができれば、サッカー選手を引退しても、移籍をしても続けられられるんじゃないかなっていうことを考えたのも大きなきっかけになっています。

ー 現役中に始められたきっかけがあったのでしょうか?
「現役中からやるべきだ」と考えていたわけではないですが、プロサッカー選手を引退されてから様々な活動をされている先輩たちの話を伺うと、「現役のうちからやっておいた方がいい」と皆さん口を揃えて言っていました。
もちろん考え方は人それぞれで、サッカー選手のうちはサッカーだけに集中したい選手もいると思います。反面、長い人生を考えるとプロサッカー選手でいられる期間は短い。そこに対して不安を感じる選手はゼロではないと思います。そんな多様な中で、僕がサッカー選手の1つのロールモデルみたいな風になれたらいいなとも思っています。

ー 現職のやりがいはどんなところですか?
本当にありきたりですが、訪問活動を通して訪問した先々の子どもたちがすごいパワーをくれるんですよね。僕たちが訪問して、子どもたちに対して、夢や希望を与えたいという思いから始めた部分もあったのですが、結果的に僕たちの方が勇気・希望をもらっていることをすごく感じます。
接した子どもたちがJリーグを観にきて、応援してくれることもあるので、より一層その支援にかける思いは強くなりますね。また、試合を観にきてくれた子どもたちに後日会うと「本当にプロサッカー選手だったんですね」みたいことも言ってくれます笑。

サッカーを通して身に付けたこと

仲間の大切さとか、支えてくれてる人たちの存在とか、やっぱり人は一人じゃ生きていけない。その「一人で生きていけない」っていうことはネガティブなことではなくて、周りの支えてくれてる人たちの力を借りていいんだってサッカーが思わせてくれました。
どのカテゴリーでも自分はチームメイトだったり学校の友人だったりと本当に恵まれてきました。普段の学校生活で接する仲間とプラスアルファで、より感じさせてもらえたのはサッカーの活動があったからだと思います。
何かスキルを身に付けたと言うよりは、そういう人としての部分、生活の質の向上じゃないですけど、人生の豊かさみたいなものは、より感じることができたかなと考えています。

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続きには「現職にたどり着いた経緯、サッカー感、サッカーで身に付けたどういった事が今に活かされているか?、みんなへのアドバイスなど」が書かれています

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