西村健(omnimedia japan)

「日本経済をターンアラウンドする」株式会社ターンアラウンド研究所・代表取締役社長、… もっとみる

西村健(omnimedia japan)

「日本経済をターンアラウンドする」株式会社ターンアラウンド研究所・代表取締役社長、「社会の医者を目指す」NPO法人日本公共利益研究所(JIPII)代表・主席研究員、社会学者。accenture、日本能率協会コンサルティングをへて現職。

マガジン

  • 永守重信さんのような経営者になる方法

    永守重信さんのような経営者になる方法を考えていきます。研究していきます。

最近の記事

多様性の意味を本当に分かってる?~【解説】人的資本可視化指針(第32回:KPIシリーズ)

人的資本シリーズ、32回目になりました。KPI、今回は「ダイバーシティ」について取り上げます。 そもそもダイバーシティって必要? そもそもダイバーシティの指標の意味を本当に理解しているのでしょうか? 「多様性」は社会として必要な価値観という理解の人もいるでしょう。規範として必要なのだろうという理解の人もいるでしょう。それはその通りですが、多様性は規範としてではなく、ビジネスとして意味があるのです。特に日本企業において。 高度成長期の日本は欧米のモデルがあり、商品をマネし、

    • 採用にはどれくらいコストがかかる??~【解説】人的資本可視化指針(第31回:KPIシリーズ)

      人的資本シリーズ、31回目になりました。KPIの回の「コスト」については最後になります。今回は「1人あたり採用コスト」「採用コスト」「離職コスト」を取り上げます。 採用するにしても、準備・企画・広告宣伝・採用活動、特に採用イベント、面接、スカウトなどなど色々お金がかかります。自前でやる場合も予算は必要ですし、専門家に外部委託したりする形式も多いでしょう。それと同様に、離職にもお金がかかります。 まず、1人あたり採用コストは、社内外すべてにかかわる採用の総コストを雇用者数で

      • 人件費がコストではなくなった??~【解説】人的資本可視化指針(第30回:KPIシリーズ)

        人的資本シリーズ、30回目になりました。KPIの回に入ってから、ついにここまで来ました。今回は「総雇用コスト」です。 会社経営において、人件費は非常に重要な費用になります。人件費とは具体的には から構成されます。で、今回の「総雇用コスト」は給与や諸手当など、従業員のために企業が負担した費用の総額と定義されます。目的としては、従業員の雇用にかかる費用を網羅的に測るためのものだと言われています。 意味は?ISO30414によれば、従業員の賃金および福利厚生に対して支払われた

        • 偉い人にどれだけ支払ってる?~【解説】人的資本可視化指針(第29回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。ISO30414のコスト関連3回目です。ISO30414では平均給与、報酬比率が推奨されています。ISOの文章をよく読むとはRatio of the average salary and remuneration、という定義になります。「平均給与や報酬の比率」ということになります。 全従業員の総給与額のうち、従業員の特定のカテゴリー層の平均給与・報酬、そしてそれがどれだけ占めるかといった「割合」になります。企業が、職種や階層にかかわらず公平な待遇を提供してい

        多様性の意味を本当に分かってる?~【解説】人的資本可視化指針(第32回:KPIシリーズ)

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • 永守重信さんのような経営者になる方法
          西村健(omnimedia japan)

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          永守重信さんのような経営者になる方法④日本電産の三大精神「情熱・熱意・執念」

          4月になって「NIDEC」のCMをテレビで見る人も多いだろう。 日本電産あらため、NIDECの三大精神「情熱・熱意・執念」。それを体現してきた永守重信さん。彼が非常に重視している仕事における「情熱」をというのを考えていきたいと思う。 「情熱」の意味 仕事において情熱というのは、激しく燃え上がる感情を持てるかということである。情熱を持つためには ・使命感:私がやる! ・仕事そのものの面白み:やることが楽しい! ・期待:成果をだせるかも! という要素が必要になってくるだろう

          永守重信さんのような経営者になる方法④日本電産の三大精神「情熱・熱意・執念」

          永守重信さんのような経営者になる方法③「すぐやる」条件

          先手必勝。 日本電産会長の永守重信さんの言葉だ。私は先手必勝という信念を持つ共同経営者と行動を共にしているので、そのメリットは非常によくわかる。すぐやることで、その後の流れができるし、今後の見通しや見極めがしやすい。あとでミスがあったとしても取り返せる。ぐだぐだして着手が遅いと結局後で影響が出てしまう。 メリットはわかる。しかし、多くのことに慎重に検討する自分にとっては、忙しくない時、自由に時間があるときはできるが、できないことも多い。それが難しい時も多々ある。また、先手

          永守重信さんのような経営者になる方法③「すぐやる」条件

          コンサル任せで大丈夫?~【解説】人的資本可視化指針(第28回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。今回からISO30414のコスト関連に入っていきます。ISO30414では「外部の労働力コスト」が推奨されています。ISO上はExternal workforce costsという定義になります。 外部の労働力コスト コンサルタント、監査法人、派遣社員、アルバイト、個人事業主、フリーランスなど、外部の労働力に関する費用の総額という定義になります。企業が外部の労働力をどれだけ使用しているのか、活用しているのかを見る指標です。 これを詳細に分析すれば、いいネ

          コンサル任せで大丈夫?~【解説】人的資本可視化指針(第28回:KPIシリーズ)

          社員にどれくらい払ってる?~【解説】人的資本可視化指針(第27回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。今回からISO30414のコスト関連に入っていきます。ISO30414では「総労働力コスト」が推奨されています。 総労働力コスト、または総人件費。組織が従業員に対して支出した金額になります。人件費の合計になります。構成は報酬と福利厚生等からなります。この指標は労働力の財務価値を測ることを目的としているようです。人への投資と言う意味で、どれだけ従業員に賃金を払っているのかは非常に重要なところでしょう。平均賃金、最大値、最小値、標準偏差でデータを見れば、賃金・報

          社員にどれくらい払ってる?~【解説】人的資本可視化指針(第27回:KPIシリーズ)

          監査は機能している???~【解説】人的資本可視化指針(第26回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。コンプライアンス関連では「外部監査で指摘された事項の件数、種類、要因」です。外部監査、いわゆる公認会計士がいわゆる監査、つまり会計帳簿などをチェックして、結果として出てくる指摘事項数、その内訳ということです。 監査が示すことの意味 外部監査で指摘された事項の数、種類および発生源とそれらへの対応。外部監査の指摘事項に対する企業の取り組みを測る指標なのですが、監査って受ける側からしたら「細かいことばかり指摘して労働生産性に邪魔になる」「細かいところばかり指摘し

          監査は機能している???~【解説】人的資本可視化指針(第26回:KPIシリーズ)

          係争している場合ですか?~【解説】人的資本可視化指針(第25回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。コンプライアンス関連では「第三者や外部にゆだねられた係争」です。第三者や外部、いわゆる弁護士やら仲介者に解決を任せて、というか、ゆだねられた内部係争ということで、内部係争に対する企業の取り組みを測る指標です。企業同士・企業間の裁判沙汰とか訴訟行為は除くということになります。 「係争」と言うと、なんだか穏やかではありませんが、「対立」という事実が存在することが前提になります。社長と反社長派が対立して喧嘩したり、改革派と守旧派の対立して度々衝突そいたり、経営陣と

          係争している場合ですか?~【解説】人的資本可視化指針(第25回:KPIシリーズ)

          コンプラ研修で大丈夫?~【解説】人的資本可視化指針(第24回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。コンプライアンス関連では「コンプライアンス・倫理に関する研修を受けた従業員の割合」が推奨されています。IOS30414にて紹介されていることが理由のようです。 コンプライアンスについて 法令順守です。企業の立場で法律というと ・法律、政令、府令、省令、条例、通達 ・業法 といったところです。ビジネスでは民法はもちろん、大手だと独占禁止法、下請法、働き方改革法あたりも目配りが必要でしょう。業務面はそれぞれな部署がそれぞれの法律を確認しないといけません。 も

          コンプラ研修で大丈夫?~【解説】人的資本可視化指針(第24回:KPIシリーズ)

          懲戒処分の種類・件数で何がみえる?~【解説】人的資本可視化指針(第23回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。コンプライアンス関連では「懲戒処分の種類・件数 」が推奨されています。IOS30414にて紹介されていることが理由のようです。 懲戒とは? 企業が、従業員の就業規則違反や企業秩序違反行為に対して、正式に制裁を科す処分と定義されます。簡単に言うと、ルールを破ったりして会社に罰せられることです。上司から注意されたり、怒られたり、社長から説教されたり・・・・のレベルではなく、会社からの公式な「処分」となります。 具体的にはこの7つがそれを言います。 就業規則に

          懲戒処分の種類・件数で何がみえる?~【解説】人的資本可視化指針(第23回:KPIシリーズ)

          苦情件数でみえる?組織の健全性~【解説】人的資本可視化指針(第22回:KPIシリーズ)

          人的資本KPI。コンプライアンス関連では「提起された苦情の種類と件数」が推奨されています。IOS30414にて紹介されていることが理由のようです。具体的には ・ハラスメント ・職場環境 ・その他 のように大別されます。 そもそもの定義は、会社で起きた不満や相談などで提起される苦情としてカウントされる件数の合計です。人事部門への相談、苦情、各種ハラスメント窓口などへの相談などの行動といってもいいでしょう。 苦情とは何か ただし、苦情と言うのは定義が難しいものなのです。話

          苦情件数でみえる?組織の健全性~【解説】人的資本可視化指針(第22回:KPIシリーズ)

          【人財育成論19回】「使えない」おじさんってどこにいるの?

          「忙しいふりをするおじさん社員ばかりが職場にあふれる」問題。 たとえば「使えない」おじさん、「50G」とかよく言われ、その条件として以下のようなことが言われています。 新たなビジネス環境に適応できない、使えないおっさん、50G、高収入なのに働かない老害、仕事ができないおじさん等々、50代以上の会社員は批判を受けがちです。悲しいことに。特に最近では人事評価で「低いパフォーマンス」という意味で「ローパフォーマー」とまで批判されてしまう、そんな悲しい状況なのです。特に若い人たちは

          【人財育成論19回】「使えない」おじさんってどこにいるの?

          永守重信さんのような経営者になる方法②すぐやる

          「すぐやる、かならずやる、できるまでやる」。この言葉は永守重信さん、日本電産の会長、社長の名言である。 永守さんはたった数人の会社から創業し、モーター業界で屈指の企業になり、世界シェア首位の企業、売上1兆円を超える企業に育て上げた、日本屈指のカリスマ経営者である。彼のモットーである「すぐやる」を考えてみたいと思う。 すぐやる・着手の速さ 何かあったらすぐやる事。その場で、相手に電話する、つなげる、仕事のできるに共通するのがこの姿勢である。行政職員、会社員、政治家、NPO

          永守重信さんのような経営者になる方法②すぐやる

          KPIを設定する意味があるのか?~【解説】人的資本可視化指針(第21回)

          KPIとはKey Performance Indicatorの略。 重要業績指標などと言われます。 皆さんを悩ませる指標であり、この指標がなぜ必要なのかは前回紹介しました。人的資本可視化でも、どの指標を選び、どの指標の数値を後悔するかは求められていくところです。人的資本可視化では、ROIC逆ツリーなどが紹介されています。人的資本が経営にどうつながっているかを可視化するために以下のようなロジックツリーと指標を設定して、ウオッチしていくということです。 CEO・CHROの役割

          KPIを設定する意味があるのか?~【解説】人的資本可視化指針(第21回)