見出し画像

「コンプラがねー」と言うトップの問題意識の低さをどうするか?:組織改革論③

コンプライアンス違反、不正、腐敗、情報漏洩、裏金問題などなど日本の「経営トップ」が問題が発覚しまくっています。組織に起こりうる問題はたくさんありますが、やはり、経営トップの問題意識について考えていきましょう。経営トップの問題意識はおおよそ組織全体の問題意識に大きく影響を与えますし、トップが「コンプラが~」と嘲笑したり、不満を言ったり、実際そうした行動を示していると、部下もそういう意識を持ってしまいます。なので、トップが社会のルールについての問題意識を持ってもらうことが重要です。

経営者のマインド

経営方針を明確化し、戦略をたて、リソースを配分し、部下にミッションを伝えて、理解してもらい、それぞれの部下たちの悩みや問題をサポートして、目標を達成してもらうなどなど、経営の現場ではいろいろなことが起きます。うまくいくこともうまくいかないこともあります。思いもがけない社員がメンタルヘルスをやんだり、社員が課長をスメ・ハラで訴えたり、下請け先をコンプライアンス違反の状態にしたまま放置していくこともあるかもしれません。
特に、行政機関からルール順守を要請されることに対しては、多くの経営者が快く思っていないでしょう。しかし、法律はビジネスの諸場面、いやこの社会でとて大事なルールです。そういった中で、ビジネスが行われていることを自覚すべきですし、法令違反について何の問題意識を持たないビジネスパーソンはとっとと引退したほうが良いと思います。コンプラの大事さを認識していない経営者の言い訳は・・・・

◆法令遵守がそもそも大事だと思っていない
◆法令を遵守するのがめんどくさい
◆法令順守は大事だけど、対応にコストがかかる
◆法令を遵守しなくても自分たちだけは大丈夫だろう(確率は低い)
◆他社も、周りの会社だって法令を遵守していない(自分たちだけが守る筋合いはない)

筆者作成

こんな言い分でしょう。気持ち的には理解してあげられますが、やはり企業たるものルールのもとで競争するというのが資本主義社会のルールです。

法令に向き合おう

人によって法律やルールに対しての考え方はどうしても違いが出るでしょう。学校で学んだときに「法律の重要性」を習ったとしても、法律が自分たちを守るものでもなく、逆に縛るものとして感じている人も多いでしょう。そのため、面倒なものを政府は押し付けている~という被害者意識を持つのもわからなくはないです。しかし、それは認識不足なのです。社会はルールにのっとって回っていて、ルールに従って資本主義ゲームが行われています。なので、ルールを守らないのは、サッカーを14人でプレーしたり、手でボールを持ってプレーするようなものなのです。
社会的責任、SDGsの一丁目一番地はルールを守ることなのです。

頻発する不祥事の裏に・・・


【出典】国土交通省資料

ダイハツ以来、自動車会社では不正が続出しています。国交省の性能調査によって調査によって、数々の不正が発覚しました。その際のトヨタ自動車の豊田会長の発言は面白いものです。

「その試験で守るべき保安基準とか、品質管理のやり方を決めているのが認証制度です。厳しい条件で試験を行っても、日本の法規に沿っていなければ法令違反と認定されます。このルールは見直しませんか、ということを今、われわれの口から言ってはいけないことはわかっています。言ってはいけませんが、でも本音を言えば、いずれかの時点では見直す議論が出ても良いと思っています」(文春オンラインより、豊田章男会長の発言)

経営者も人の子です。売り上げ拡大、収益を上げること、内外の評判、プライドを傷つけるような毀誉褒貶、思い通りに動いてくれない社員たち、部下からの信頼などなど多くの悩みやプレッシャーにさらされています。すごいわかります。そんななか、法令順守をするのは面倒です。
また、多大なコストもかかります。法令自体を守ることが意味のない場合も正直のところ、あります。なんじゃこれみたいな法律になっていたり、運用上機能していない、時代にあっていないケース、形だけの審査や監査などです。そういったものやビジネスの邪魔になる活動に出会った場合、それに対して声を上げて、とっととロビーイング活動をすべきでしょう。形骸化した制度やルールに従う理由はありません。「法令順守をさせられる・・」というお上からいわれてしょうがない、とあきらめたり、しぶしぶ従うより、積極的に「この法令にはどういう意味があるのか?」を問うべきなのです。

不正を見過ごす前に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?