見出し画像

【人財育成論34回】賃金は若者にとってより切実

人はパンのために働く?人はパンのみに生きるにあらず?

SDGs、社会起業、AI、いろいろな変化を踏まえて若者のキャリアは多様化しています。会社に勤務していなくてもフリーランスとして生きていく人はいるし、会社に縛られない自由な生き方が、昔よりは可能になりました。頑張ってそういったことを進める人も中にはいるでしょう。とはいえ、多くの人がそうではありません。仕事のやりがいを重視しつつも、仕事において、賃金の高さ、これは結構重要です。あなたの会社の賃金が最低賃金以下だといったら、それはもうお話にならないでしょう。みなさん、生活がかかっていて、働くのは「生活するためだからが第一の理由」と言う人は数多くいるからです。働くのは自分の自己実現のために、とか、自分の夢のために、と言う人はいたとしても、それは生活が豊かで資産がたくさんあるとか、働かなくてもお金が入ってくる資産家の家だとか、恵まれた条件の人くらいです。ほとんど多くの人にとって、「労働」を考えないといけません。そしてその際には、大事な条件は「賃金」「給与」になります。

若者の場合・・・

同じ会社に長く勤めがちで、不満があってもなかなか会社を辞めない・・・「労働市場の流動性が低い」そんな状態は過去の日本です。若者は、転職は普通に、フリーランスになったり、起業したり、選択肢は様々です。そして、就職・転職の場合、賃金・報酬、条件はとってもとっても気にします。それは今だけでなく、未来の可能性もです。現在からどう変化するのか、敏感です。

労働政策研究報告書「大都市の若者の就業行動と意識の変容 -「第5回 若者のワークスタイル調査」から-」によると、「あなたは初めて就職したとき、次のような点を重視しましたか」という設問に対して、選択肢があり、
・企業の業種・仕事内容
・正社員かどうか
・勤務時間・休暇・福利厚生

に次いで、4番目が「賃金」。それだけ重要なのです。中には、やりたいことなので我慢しても安月給でも経験を積みたいという人もいるでしょう。それも個人の選択です。ただ、多くの人にとっては、賃金が低いと話にならないし、未来も描けないので、重要なファクターであることはかわりありません。最低賃金以下だったら、うまくバイトしたり、フリーランスになったり、海外にワーホリでいったりしてしまいます。そもそも英語ができれば、海外経験もある人なら、数十パーセントも低い日本企業に就職しないでしょう。

若者にとっての賃金の意味は前世代よりも切実!

若者にとって、賃金の高さはそりゃ魅力的です。
・大学の奨学金を返せる
・バブル後で苦労した世代~ロスジェネ世代で苦労した親に頼れない
・めんどくさい権威主義の嵐の飲み会や交流を避けて、自分の好きな趣味にお金を注げる
・将来が不安

などなどあるでしょう。大事なのは、こういったことを感じる人の割合が、過去世代より高いことでしょう。そう、過去の若者よりも賃金の高さが「切実な」ことを忘れてはいけません。過去の若者は、未来がよくなりそうだったし、流石に30年も景気が低迷するとは思っていなかったし、ということです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?