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バカボンの兄
2024年7月5日 18:49
対立上限は神で、下限も神で神だけが現前していた沈黙とは常に神の沈黙だったこの意識が、神そのものだったこの世界が神だったのだ世界は色づいておらず白黒かどうか明暗があるのかどうかさえ分からないそもそも色彩の概念がない目を持つものを通して初めてそこに着色されたクオリアが浮かび上がるだからと言って、僕らはむき出しの世界には触れられぬのだと嘆くなこの肉感こそが僕らにと
2024年6月22日 03:40
刃物/パパゲーノ3小学生の時ボンナイフというものがあってそれで鉛筆を削った削り方は母が教えてくれた同じ頃父が懐刀をくれてこれで家族を守るんだぞと言ったボンナイフはとうになくしてしまったが懐刀は今でも持っている父は有名私立高校の卒業生で僕は子供の頃、実力以上を強いられ壊れた。父の母校の校章は「ペンは剣よりも強し」だが僕は、それはちょっと違うと思っているペンは
2024年6月15日 12:31
濡れ衣嘘をつかれて居場所をなくしたいじめを受けてその場から逃れたそんな折、良寛さんを思い出す盗みの濡れ衣を着せられて言い訳もせず穴に埋められたそれで良かった助けは来るだろうかそんなことを思いもせず待つこともなくただそこに在った宇宙として、粛々と。三億円もらってももうやりたいことがないんだ布団の上に寝転んだまま夕となり、また朝となった(創世記1:5)20
2024年6月14日 23:29
略歴ベッドと机と椅子を捨てたそれから手紙と葉書を破いて捨てたもう二度と読み返さないだろう本を捨てた十年分の日記を要約しようと読み返してそれはできないのだと知って焼いたその後、本は図書館で借りるので増えていない晴れた日には散歩している雨の日は読書しているまだ着られるがもう二度と着ない着古しを今日海外へ送ったただ座すことと何ら変わりのない、それらは生きていく上で何ら必要の
2024年6月12日 14:39
原点十三歳、天文学者になりたかった。教室に座っていることができずひと気のない便所でうなだれた。銀河中心はブラックホールだと直観していた。うずくまり人刺し指を咽頭めがけ突き立てた。教師は何も言わなかった。医者はトランキライザーをくれた。効かなかった。生き残るすべなど誰にも教わらなかった。いつかインドへ行こうと思った。十六歳、死へ。昼休み、図書室横の便所で糞をしながら、それでも生きていていいの