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短編はいいぞ

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好きな短編小説や短編マンガを紹介する無料マガジン。(おすすめ作品あればコメントなどでぜひ教えてください!)
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記事一覧

2つの視点から見る1つの話/『美人な妹と、私』『可愛い姉と、私』

2つの視点から見る1つの話/『美人な妹と、私』『可愛い姉と、私』

※ネタバレ注意

私には姉妹はおらず、男兄弟だけがいる。異性の兄弟というのは気楽なもの。ジェンダーバイアスがかかって単純に比較されることが少ないからね。

どっちが可愛いとかどっちが美人とか、どうでもいいことに悩まずに済むという点で、姉も妹もいなくてよかったな、と思う。

ただ、こんな関係の姉妹になれるのなら姉や妹の存在も悪くないなあ、なんていう2つのお話。『美人な妹と、私』と『可愛い姉と、私』/

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マガジン「短編はいいぞ」でやりたいことを改めて書いておきます

マガジン「短編はいいぞ」でやりたいことを改めて書いておきます

今さらなんですけど、タイトルの通りです。

これまで短編小説や読み切りマンガの感想を書いた記事を少ないもののいくつかマガジンに追加してきました。有名な作家さんの本から、web小説、青空文庫等々。

これからもそんな感じでやっていくつもりですが、個人的には特にweb小説の紹介を多めにやっていけたらなあ、と思っています。

ネット小説って誰でも投稿できる。でも書きたい人と読みたい人の割合が釣り合ってな

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王子、お前なあ…!/『人魚の姫』

今回は青空文庫から。矢崎源九郎・翻訳版のアンデルセン『人魚の姫』を紹介。人魚姫といえば楠山正雄の訳も有名ですが、矢崎版のほうが言葉選びが現代的で読みやすいです。興味がある方はぜひ。

人魚姫といえば大体の人はあらすじを知っていると思うのでここでは書かない。が、なんで今さら私がnoteで記事を書いているかというと、子ども向けの絵本では省略されがちなとあるシーンを知ってもらいたいから。

王子様がね、

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web小説感想/『誰のための唄』

web小説感想/『誰のための唄』

久々に「これいいなあ」と思うweb小説を見つけたから、今回はその作品をちょっと紹介。

『誰のための唄』/灰芭まれ

物語りの鍵は、SNSで突如バズッた1曲の歌動画。誰が歌っているのかはわからない。けれどそれはまたたくまに拡散される。その歌を聴いて、ある少女は自殺を思いとどまり、ある少年は好きな女の子を救うための一歩を踏み出す。

そんなパワーを持つ歌が実は、殺人犯……人殺しが歌う歌だった。SNS

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誰かの幸せが誰かの不幸に、そしてまた誰かの人生に繋がる/湊かなえ『サファイア』、『ガーネット』

誰かの幸せが誰かの不幸に、そしてまた誰かの人生に繋がる/湊かなえ『サファイア』、『ガーネット』

素敵な短編作品を紹介したい。そう思って「短編はいいぞ」というマガジンを作成したはいいものの、全然更新していない。しかも最近あまり趣味の本を読んでいない。でもなんか更新したい。

そんなことをぐるぐる考えて、とりあえず過去に読んだ作品から何か記事を書いていくことにしようかな、と。

「短編はいいぞ」マガジンの前回の更新はマンガ作品だったので、今回は小説を。

湊かなえさんの『サファイア』と『ガーネッ

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高校時代にジャケット買いしたマンガ/『透明人間の恋』

高校時代にジャケット買いしたマンガ/『透明人間の恋』

 漫画家の安藤ゆきさんと言えば、『町田くんの世界』が代表作だと思う。ところがどっこい、私は『町田くんの世界』を気になるな~なんて思いつついまだに読んでいない。読めよ自分。

 私が安藤さんの作品で唯一読んだことがあるのが、『透明人間の恋』。

 この1冊との出会いは高校3年の冬だった。駅前の本屋の新刊コーナーで見かけてとにかくカバーに惹かれ、レジに『透明人間の恋』を持って行った。いわゆるジャケット

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たけのこの里派のほざき/「プルースト効果の実験と結果」を読んで

たけのこの里派のほざき/「プルースト効果の実験と結果」を読んで

たけのこの里が出てくる小説があると知り、たけのこの里派の私はさっそく喜び勇んで読んでみた。

確かにめっちゃたけのこの里、出てきた。小川という男子高校生が、作中で受験勉強する前にたけのこの里を食いまくっていた。勉強前に必ず食べることで、味や香りと英単語とか勉強した内容が関連付けられる。入試本番直前にもたけのこの里を食べることで、本番中にその勉強した内容を思い出せる、という理論らしい。ちなみに主人公

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