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たけのこの里派のほざき/「プルースト効果の実験と結果」を読んで

たけのこの里が出てくる小説があると知り、たけのこの里派の私はさっそく喜び勇んで読んでみた。

確かにめっちゃたけのこの里、出てきた。小川という男子高校生が、作中で受験勉強する前にたけのこの里を食いまくっていた。勉強前に必ず食べることで、味や香りと英単語とか勉強した内容が関連付けられる。入試本番直前にもたけのこの里を食べることで、本番中にその勉強した内容を思い出せる、という理論らしい。ちなみに主人公の長田さんは、彼にならってきのこの山で同じことをしていた。

私はこの作品を読み終わった瞬間、にやりと笑った。

こう書いてあったから。

「たけのこの里のほうが、おいしい」
 と言うと、小川さんも、
「僕もそう思った。そういえば、あそこのスーパーでも、いつも売り切れるのはたけのこの里のほうが早いもんな」
 と笑って、たけのこの里をもう一粒、わたしの口に運んでくれた。

小川さんはもちろん、きのこの山食いまくってた「わたし」でさえも、たけのこの里のほうがおいしい言うてるねんで。スーパーではたけのこの里が先に売り切れるんやで。

嬉しくなった私はリビングで弟(中立派)を捕まえて、言った。

「たけのこの里ときのこの山の勝負って、もうとっくについてると思うんだよね。たけのこの勝ちやわ」

弟はぽかんと数秒間、私を見つめてから、馬鹿にしたようにはっと笑った。

「たけのこ派が何か偉そうに言ってっぞ」

むかっ。

横で話を聞いていた母(きのこの山派)もここで会話に入ってきた。

「甘いね。こっちにはあの松潤がついてるんだから」

……え?

「今、きのこの山のほうが優勢よ。残念だったね」

……え??

ほんまや。

松潤がきのこの山を推してる。ていうかきのこ党の党首になっとる。たけのこ党首の三輪明宏さんがあかんとは言わへんけど、とりあえず今のところ(9月23日現在)投票状況はたけのこの里が劣勢だ。

国民的アイドルを味方につけるなんて……。

頑張れ、たけのこの里……泣。

「プルースト効果の実験と結果」についてあまり語らないまま終わりそうだから一応書いておくと、甘やかだけど最後ちょっと切ない初恋の物語です。

読みながら高校時代に友人たちと図書室で勉強した思い出とかを不覚にも思い出したりしてしまった。実は、あのとき一緒に数学の問題解いたりしてた同級生2人が今は恋人同士だったりする(私自身にはそういう話、何もないけど)。

この小説も素敵だけど、私の周囲の現実も悪くないな、なんて思わせてくれるお話でした。

面白かったから単行本買おうと思って地元の本屋に行ったら在庫切れてた。ベストセラーの予感……?

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