会食恐怖症持ちのコロナ禍
こんにちは、おりんぽすです。
私は会食恐怖症という一種の社会不安症の存在をより広く世間に認知してほしいという思いから、これまでその病気に苦しんできた私の実体験を記事にしてきました。
前回の記事までに、時系列に沿って私が病気を患った原因や症状の経過についてまとめてきました。
簡単に説明しますと、会食恐怖症とは、過去の何らかのトラウマにより人と食事をすることが困難になってしまう病気の事です。
これまでに主要な経験談は全て雑記してありますので、まだ読まれていない方は、是非一度ご拝読いただけますと幸甚に存じます。
かくしてネタ切れの今回からは、私がこの病気について考えていることをお話しさせていただきたいと思います。
という訳で、今回は「会食恐怖症持ちのコロナ禍」と題しまして、コロナ禍でオフラインでの人との関わりが減少する昨今、会食恐怖症持ちの私がどのような思いを抱いているかについて簡潔にお話ししたいと思います。
・コロナ禍で会食機会が激減!
これは全ての方に共通することのはずですが、コロナ禍に入ってからというもの、とにかく人と食事に出かける機会が減少していることでしょう。そろそろ居酒屋なんかで友人と夜遅くまで語りつくしたい…!と思ったりもしていますが、今回はその話は置いておきます。
会食恐怖症に苦しむ方々は皆、会食が苦手です。この病気を持っている方々にとって、会食の機会が減ることはどのように感じられるのでしょうか。もちろん感じ方は人それぞれで、何が正解という訳でもありませんが、私が感じているところをお話ししたいと思います。
・会食で悩む機会は減った
会食の機会が減ったということで心が楽になった部分はあります。私は現在学生ですが、通常ならば研究室で飲み会を開催したり旅行に出かけたりしていたでしょうし、実際にそのような場に赴いていれば自分はどうなっていたのだろうとよく疑問に思うことがあります。そのような人とつながる場が失われることはもちろん寂しいことではありますが、そのような不安に一切囚われずに生活を送ることができることはとても楽には感じています。
極力人との食事を避けるように、という指示すら出るくらいですので、人から食事に誘われても自分が食べられなさそうであればうまい理由をつけて当たり障りなく断ることもできたりします。
このように、コロナ禍での会食機会の減少によって心の中で安堵している方々も一定数いらっしゃるのではないかと考えております。
・会食にまた不慣れになっていることに気づく
上述の通り現時点では会食の機会は減っていますが、事態が収束すれば当然のことながら会食の機会はまた増えていくと思われます。実際に私もオフラインでの人との関わりが最近増えてきていますし、食事に行くことも増えていくでしょう。
そこで問題となるのが、会食の行く必要のない環境への安心感に体が慣れてしまい、対照的に、以前よりも強い会食への恐怖心を感じることがあります。このような声は、Twitterでも見られるので、多くの方が共通して今悩んでいることなのではないかと実感しております。
感覚としては、昔部活動で当然のようにこなしていたきつい練習をいざ大人になってからやろうとすると、あからさまに抵抗を感じてしまうような、そんな心理に近いと思います。
そのような意味では、会食の機会が減ったことは全くハッピーなことではなく、むしろ会食の練習の機会奪われてしまい、より厳しい人生を強いられているような、そんな気分にすらなります。
・飲みの席が少ない!
最近、また飲食店への制約が弱まり、会食の機会は増えてきました。しかし、依然として時短営業を要請されている状況であり、単純に罪悪感からも居酒屋に行こうという話にはなりにくいと感じております。
恐らく会食恐怖症持ちの方は、ほとんど全員がお酒のある会食の場の方が気楽に感じられると思います。それは、お酒があることによって、参加者全員の食べ物への集中が弱まることで、食べなくても気づかれないという安心感が生まれるからです。それ故、症状が重い方にとって、居酒屋は会食の練習に適した場と言えるのですが、時短営業により、そのようなハードルの低い会食の場がかなり少なくなってしまっているのです。
これは上述した会食にまた不慣れになっているという問題とも関連しますが、また少しずつ会食の感覚を取り戻していく必要がある中で、いきなりハードルの高い会食の機会ばかりが押し寄せてくることはかなりストレスに感じます。
一段一段ステップを上るように会食への恐怖心を克服していきたいですし、そういった観点から、早く時短営業が終わってほしい(そもそもコロナ禍が収束してほしい)と切に望んでいます。
・まとめ
今回は、会食恐怖症持ちの私がコロナ禍での会食機会の減少をどのように感じているかについて書かせていただきました。冒頭でも述べましたが、もちろんこれが会食恐怖症を持つ方々の総意ではなく、一個人の見解であることに留意していただきたいです。
短いスパンで見れば会食の機会がないことは楽なことなのですが、もっと先を見ると、会食の感覚を失ってしまうことの方が症状を悪い方向へと導いてしまうので、よりひどい苦しみを味わうことに繋がる恐れがあります。
私がこの記事を書いている理由は、多くの方々にこの病気の存在を認知していただくことで、この病気で苦しむ方々が少しでも気楽に生きることができるような世の中になることを願っています。
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