「今の職場になじめない」原因はどこにあるのか
カウンセリングに来られる方の悩みに、「今の職場になじめない」というのがあります。
これはけっこうキツいものですが、ひとくちに「なじめない」といっても、中身は様々です。
会社で働くとなると、必ずどこかに属することになります。
どこそこの会社というくくり、部のくくり、課のくくり、島のくくり。
会社で言うと、社風。
部署だと、部のカラー。
課だとリーダー色。
島だと、独特の人間関係。
これってやっぱり入ってみないとわからないことが多いんです。
入ってみて初めて「なじめない」と感じてしまいます。
そこでなんとか「なじもう」と自分を捨てて過剰適応すると、そのうち疲れ切って「適応障害」になってしまいます。
そうなる前に、カウンセリングを利用してもらいたいんですが…
ある出来上がった集団の中に入っていく場合、その集団にとって新しい人は異分子になります。
新しい異分子が入るということは、集団が変化する可能性があります。
しかし、その集団が変化を嫌うものであれば、この異分子を出来るだけ早く自分たちと同じものにしたいと考えます。
新しい人(異分子)の方が変われというスタンスです。
変化を怖がらない人もいます。
その場合は、新しい人(異分子)が入ることで新しい変化を楽しみます。
ただ集団の中には、変化を怖がる人と怖がらない人が交ざっています。
ここは現実の力関係で雰囲気が変わります。
変化を怖がらない人が上の場合、新しい人(異分子)は歓迎ムードになります。
全体が歓迎ムードになったとき、変化を怖がる人は急に疎外感を感じます。
なぜなら今まで通りの集団の中で安定して過ごしたいからです。
だから新しい人(異分子)が来て「職場になんとなくなじめなくなった」と思い始めてしまいます。
また変化を怖がる人が上の場合は、今までと違うところを評価しません。
新しい人(異分子)が入ってくることで部下が親睦を図っていると、上司からは浮ついてきたと感じるようになります。
いつも通りの集団の雰囲気に戻そうとするあまりに、新しい人にわざと配慮しなくなります。
極端な場合、仕事も自分から教えることはなく、聞きに来るまで教えません。
空気を読むことだけでいっぱいいっぱいになってしまい、常に緊張状態が続くのです。
こうなると、新しい人(異分子)の方が疎外感を感じてしまいます。
集団の中で疎外感を感じると真っ先に影響が出てくるのが、非言語の部分です。
本人は感じてない場合が多いのですが、視線、姿勢、声の調子、笑顔、あいさつ、醸し出す雰囲気などが変わっていきます。
人間は非言語の方に敏感に反応しますから、いつの間にか壁ができたり、距離が離れたりしていきます。
「職場になじめない」という問題は、いろいろな要素が複雑に絡んでくるので、この方法で一挙解決とはいきません。
会社側の問題もあれば、自分側の問題も出てきます。
「職場になじめない」という問題が出てきたとき、会社を辞めるか続けるかということが先決ではありません。
いかにして今の精神的疲労を蓄積させないようにしてくかが大切です。
生活リズム(睡眠・食事など)を意識して崩さず、気分の切り替えを上手くしていくことが大切です。
まあ、なじまなくてもいいという選択もありますけどね。
「職場になじめない」と悩む人の中には、全てまわりが悪いと被害者意識を持つ人がいます。
たとえそういう現実があったとしても、頑固に融通が利かないというのも前進しない要因になります。
自分も変わることを怖れず、柔軟性を取り入れていくと、また違った自分に出会えるかもしれません。
自分の生き方で、何かが変わるきっかけになるかもしれませんね。
煮詰まったとき、カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
対面カウンセリングが無理な方には、電話、オンラインもやっています。どんどん気軽にご利用くださいね。
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