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それって私の仕事でしたっけ?

最近、仕事がとても忙しい。
この話をすると友達から「いつも忙しいよね〜」とツッコミが入った。
最近なんだけどな〜と思っていたが、冷静に振り返ると私はいつも忙しい。
理由を考えてみると、自分が原因なのではないかとじわりじわりと気づいてきた。

「じゃあ私がやります」
仕事での私の口癖だ。
やり方がわかるから、他の人に頼むとクオリティが下がるから、お客さんのことを考えるとすぐできる私がやった方がいいから、などなど。
そんなこんなで人の仕事をもらうことが多い。


例えば現在の職場での話。
私は本来勤務している東京を一時的に離れ、北海道で勤務をしている。
社内で白羽の矢が立ったというのが一番大きな理由だが、そもそも社内で打診されている時点から「いいですよ、いきますよ」と買って出ていた。
また、3月に新入社員を迎え、7月にも新しい社員が入ってきた。そんな状況なので、仕事を教えたり、3月に入った社員の見守りをしたりする機会が多く、その度に「できていないなら私がやります」と仕事の肩代わりをすることが多いのである。

こうしてどんどん仕事を抱え込む。
端から端まで、まるでブルドーザーのようにガーっと仕事を片付けていく。
達成感とかやりがいとか、そんなものは見つけずにガーっとだ。
それで残るのは、私の大量の残業時間と疲れだけである。

この感覚は、新聞記者として働いていた時も全く同じだった。
あまり仕事のできない後輩のフォローに入り、紙面を埋めるためだけでしかない記事を書き、先輩の漏れもそれとなくすくいあげる。
社内の評価はよかった。だけど、私はやりがいとか新しい発見をしているわけではないから、残業と疲れを抱えている状態になる。当たり前だが家族や友達との時間もなくなる。
そして仕事が嫌いになり、疲労で体を壊し、無駄なものばかり買って・・・という負のループに陥るのだ。


あまり好きではないのだが、久しぶりにビジネス書を買って読んだ。
ヒントになるようなことがあればいいな〜と軽く思いながら読んでいたが、そこに書かれていた「放っておくこと」に目が止まった。
ビジネス書によれば、締め切りとタスクを明確にし、その時まで部下を放っておいた方が良いというのだ。

自分の働き方を振り返ると全く逆のことをしていた。
人の仕事の様子を他のやりとりなどから推察し、手が回っていなそうだったら声をかける。ヘルプが出れば積極的に入っていく。
またその人の代わりに一時的に行なっている業務でも一から経緯をあらい、問題点を解決できるよういろいろなものを準備したり、タスクを進行させたりする。
「環さんがもう一人いれば楽なんだけどな〜」と職場で言われることが多い。

ただ、これをすることで何が起きるかというと、周りで働く人たちが思考せず甘え出すことだ。
「環さんが代わりにやってくれる」
「きっとヘルプを出せば助けてくれる」
「環さんに任せよう」
そうなると、スケジュールを正しく組まなくなり、わからないことは丸投げしたり、進捗が止まったままのタスクを放置したりしてしまうのだ。
実際に現在の職場でも新聞記者時代も、後輩は自分の仕事でわからないことがあるとそのままにしてストップしていることが多く、そのフォローに何度となく私が入って解決することがある。

そして私は仕事を辞めたくなる。
仕事に対してやる気がある人、社内でできるとされていた人が辞めていくのはこんなメカニズムなのではないかなと思う。

ここでやることは、ビジネス書にあった「タスクと締め切りを決め放っておくこと」なのかもしれない。
ビジネス書の中では、締め切りを過ぎてもできていないことがあったら、タスクを細分化して締め切りを再設定をするという管理方法をおすすめしていた。
タスク細分化の部分を部下に考えさせれば成長にもつながるし、頭を使ったりスケジュール管理をしたりするトレーニングになるのだろう。

自分の働き方を振り返って思うのは、新聞記者をやめた理由は、こういう便利屋気質を改めるためなのだ。
これまでは、新しい仕事に会えることが嬉しかったし、人から必要とされている感覚がとても心地よかった。また、地元から離れて一人暮らしをしていたから余暇の時間をそこまで持たなくても大丈夫だった。

ただ、今はパートナーや友達との時間を大事にしたいという思いも強く、空いた時間は友達とできるさまざまな創作活動にあてたいとも思っている。
便利屋なままだったら、これまでできなかった仕事以外の時間を保つことができず、仕事を辞めることしかなくなってしまうだろう。
そして28~29に感じていた仕事に食われている人生という負の感情と同じことを考えてしまう。
一瞬しかない今をもっと自分のために使いたいのだ。

自分の身は自分で守る。
そんな言葉が頭をよぎる。
私の場合、働き方改革はまずは自分の意識からかもしれない。


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