コピペプロンプト、不安とモチベーション、感謝日記【成長を加速する目標達成戦略#1】

みなさま、2022年は順調に進んでおりますでしょうか。

前回までで「目標達成率を高めるための新年の抱負の立て方」みたいな話は一段落しましたんで、今回からはより実践的に「目標達成率を高める具体的な戦略」についていくつか紹介していきたいと思いまーす。

1．コピペプロンプトでモチベーションアップ！

効率的にゴールに到達するには先人の知恵に習うのが定石。もっとも、先生を見つけたとしてもこちらの都合に合わせていつでも教えを請えるわけでもないし、自分のニーズにぴったり合う教えをしてくれるとも限らないわけです。

例えば、ダイエットのためにジョギングを始めたいとしましょう。このとき、プロのランナーの人にレクチャーをお願いしたところ、もっと早く走るためのアドバイスばかりしてくれたりしたとしたら、モチベーションも上がらないし、「ありがたいけどそこまで求めてないんだよ…」みたいになりますもんね。

そんなところで最近注目されているのが「コピー＆ペーストプロンプト」って戦略であります。これは要するに、「自分よりちょっと前に同じ目標に成功した友人や仲間の戦略を意図的にまねする」っていう方法。本やネット記事、先生からのアドバイスに受動的に従うのではなく、成功者を観察して「どこかまねできるところはないだろうか…」と自分から積極的に探してみて、自分だけの戦略を構築するわけですね。

このコピペプロンプトの効果を調べたペンシルベニア大学などの研究（Ｒ）では、以下のような実験を行っております。

1. もっと運動をしたいと思っている男女1,028人を集める。平均年齢は38.3歳で、女性が58.56％）

2. 全員を以下の3つのグループに分類して、初日に以下のような指示をする

   1. コピペグループ：「これから2日間、あなたが知っている人がどのように運動するモチベーションを高めているかよく観察してみて下さい。必要であれば、直接訪ねてみてもいいです。」と伝える

   2. 戦略だけグループ：「これから2日間、運動のモチベーションや効率を上げるための戦略を学んでほしい」と伝え、過去の実験で実際に使われた運動の戦略を提示する（1時間運動したら15分間SNSをしてもいいルールにする、とか）

   3. コントロールグループ：特に何も伝えない

3. その後、全員が運動のモチベーションを上げるためにどんな戦略を使ったのかを尋ね、1週間後、どのくらい運動に費やす時間が増えたのかを調べる

って感じ。つまり、コピペグループでは、既にほかの人が使って効果を実感している戦略をそのまま提示するのではなく、自分で戦略を探すというプロセスを組み込むことで、目標達成へのモチベーションが上がるんじゃない？って考えたわけっすね。

その結果はというと、

• 1週間後、コピペグループでは、前週に比べて運動時間が4.32時間増えていた。戦略だけグループでは3.64時間、シンプルなコントロール群では3.37時間増えていた。言い換えれば、コピペグループは戦略だけグループより32.5分、コントロール群より55.8分だけ運動時間が増えていた

• コピペプロンプトの効果は、女性よりも男性の方が顕著に表れていた

• コピペグループでは、コントロール群に比べて運動のモチベーションが上がったと答える人が多かった

• 以上の効果に関するメカニズムとしては、使った戦略の有用性が高さ、戦略を継続できたか、運動をするときの社会的な関係があったか、といった要素が影響していた

みたいになってまして、手ごろに実践できるわりに効果は結構高いんじゃない？って感じ。

研究チーム曰く、

コピー＆ペーストプロンプトは実践が簡単で、実質的にコストがかからないにもかかわらず、健康的な食事から学業の成功まで幅広い成果を改善する可能性がある

とのこと。もちろんこの効果がいつまで続くのかとかは分からないわけですけど、社会的なサポートや自律性（自分だけの目標を進んでるんだ！って感覚）が目標達成にもポジティブな影響を及ぼすって報告は多いんで、「自分なりのモデルを探して真似をしてみる」ってのは、試してみる価値はあるんじゃないでしょーか。

2．やはり、目標を達成するには「苦しみ」が必要なのか？

「ネガティブな感情も使い方次第！」ってな考え方が広がってきている近年。実際周りを見渡してみても、プレッシャーや適度な捨てレスを抱えている方が成功している例が多かったりもするわけです。

2017年の研究(R)でもそこら辺について調べてくれておりまして、「不安をモチベーションに使えるようにするためのたった一つのポイントはこれだ！」みたいな話になってます。