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翳りゆく風呂場

翳りゆく風呂場

 

湯船があるとよく潜る。しかし、現在私が暮らしている部屋には湯船がない。正確に言えば、湯船自体は存在するのだが、破格な家賃に見合ったタイプの浴槽で、小さな上にカビ臭く、とてもじゃないが湯なんて張れたものではない。故に我が家には理想の湯船がなく、潜ることができないのである。

けれど、実家に帰省すれば問題ない。実家には大きな私が沈む程の綺麗な湯船があり、そこへ毎晩たっぷりと湯を張っては、仰向けに

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日頃疑問に思うマナーを右から、右から、左へ受け流す〜〜CHARA CHA CHA CHARA CHA
CHARA CHA CHA CHARA CHAの話

日頃疑問に思うマナーを右から、右から、左へ受け流す〜〜CHARA CHA CHA CHARA CHA CHARA CHA CHA CHARA CHAの話

あ、マナーって世相によって曖昧になるものなんだなと発見できたことがこのコロナ禍での唯一の収穫だった。

マスクするのは失礼、という認識からマスクしないと論外という意識へマナーが変化したのを目の当たりしたことが発端である。

マナーは曖昧なもの、そう気づけた瞬間学生時代マナーに厳しい業界でアルバイトしていたときの押し込まれたような、鬱々とした気持ちが一気に晴れた気がしたものだ。

ところで、実際に書

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安部公房の小説から考える身体の零度

安部公房の小説から考える身体の零度

身体の零度とは、人間の身体や振る舞いが社会的規範や慣習によって加工・均質化されたものではなく、真っ新でニュートラルな状態であることを示す。しかし今日の私たちは社会に監視され囲い込まれ、均質化されつくし、身体の零度とは程遠い自己を用いて日常を消費している。したがって、もし己の身体を身体の零度に近づけたいのならば、限りなく社会から逸脱した唯一無二の自己意識を持ち合わせることが必要となる。「本来自己とは

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サンマルクカフェのアイスコーヒーは美味しくて何より安い

サンマルクカフェのアイスコーヒーは美味しくて何より安い

サンマルクカフェでアイスコーヒーを注文し驚いた。

安っっ

これまでアイスコーヒーの安さはマクドナルドが1番だと思っていたが、マクドナルドは混み具合、知り合い遭遇率を加味し金額に変換するとスターバックスと並ぶ値段になると最近思い始めたので一概に安いとは言えなかった。

それがどうだ...

静か!

程よい人数!

美味しいコーヒー!

安い!!!!

毎日通うことを心に誓ったはずの先日だったが

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One more time one more パイン飴

One more time one more パイン飴

  十人十色の人間がいるように、この世には十人十色の飴が存在する。あんず飴やトローチ、リンゴ飴など昔ながらの飴を始め、昨今ではやれしゅわしゅわキャンディーだの、色が変わる飴などが登場してきた。最寄りのコンビニで色とりどりの飴コーナーを眺めるたび飴市場の拡大と厳しさを同時に痛感せざるを得ない。そんなキャンディー戦国時代においてひときわ異彩を放つのが、パイン株式会社さんが提供するパイン飴である。余計な

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転倒者

転倒者

たまに綺麗な滑り込みを行う野球選手をテレビで見かけると、ありゃりゃ天才だと思う。多分それはプロ野球選手は勿論のこと、河辺で草野球をやっている少年選手の滑り込みに対しても同じことを感じるに違いない。何故私が他人の滑り込みに魅了されるのか。答えは単純で、私がめちゃくちゃ転ぶからである。めちゃくちゃは言い過ぎかもしれないが、大の大人が1年に数回コケるのは私の周囲ではかなり頻繁な回数である。

しかし、こ

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