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奥田庵 okuda-an
2021年2月7日 07:28
寛二は影響を受けやすい。暗い物語の漫画を読めば、暗い気持ちになり、イライラしている人が近くにいたら、寛二もイライラ。「ああ、世界ってのはくだらない」なんて、嘆いたと思えば、「幸せを掴むことを忘れちゃ終わりさ」なんて、語りかけてくる。寛二もなんとなく自覚している。そして、日によっては深刻に落ち込み、別の日にはまったく気にしていない。「まあ、素直ってことだね」と、同級生の韮山
2021年2月12日 06:37
世界危機。突然の銃声!目の前で倒れる男性!慌てて駆け寄る。なにか、訴える顔つきで、「あ、浅香唯のライブにい、行きたかった……」ガクッと、力尽きる。きゃゃゃゃっっ!突然突っ込んでくるトラック、巻き込まれ、轢かれ、道路に投げ出される若者。こちらに向けて、手を伸ばし、「今年こそは……浅香唯の、ら、ライブに……行きたかった……」ガクッと、力尽きる。ドカァァッッッンッ!と、
2021年2月27日 06:35
塾の帰り。繁華街を抜け、マックで夕食。寂しい。なんとなく帰りたくない。二十分ぐらいなら寄り道しても、親に何か言われることもないだろうと、ブラブラ歩く。古本屋を見つける。入ってみる。お客は誰もいない。店主のおじさん。何か読んでる。「……」僕は何が読みたいのだろう。と、思う。時間もない。寂しさ。ずっと「当日」が来ないような、ひたすら「積み重ね」のような日々。少し