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#子育て
オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」
こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。
お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
香木・香
ゆびさきとタブレットは苺の匂い、味はどこまで味なのか
子どもがわたしの頰に手をおくと、ふわっとただよう苺の匂い。手づかみ食べの季節は過ぎて、フォークで食べているはずなのに、しっかり香るこれはたしかに甘酸っぱい、間違えようのない苺のもの。
苺の匂いはとても強いんだなあと思って、それから、匂いからこんなにはっきり想起される苺とはつまり、この匂いなんではないか、と思った。
ためしに鼻をつまんで苺を食べてみる。甘みと酸味のあるジューシーな何かだとは感じる
子どもから他の女の匂いを感じた日と、香りの自由みたいなもの
子どもを抱っこすると、おばあちゃんの家のバスクリンみたいな、ちょっと懐かしくなる、人工的ないい匂いがした。
それははじめて一時保育を利用して、迎えに行った子どもを抱き上げた時だった。お風呂でも入れてもらったの?と思いながら、匂いと預けたことの関係も判然とはしなくて、ただその日はずっと、いい匂いがするなあと思っていた。
また違う保育園に預けた日、やっぱり子どもから芳香が漂った。なんか、いい匂いが
厳かなお寺の香り はじめての浄土真宗
お寺は良い匂いがする。お寺を取り囲む木々の深々とした匂い、伽藍の木の匂い、そしてお香の香り。それらの芳香に包まれると、背筋がすっと伸びる。特別な場所に来たことが自然とわかる。
それにしても、なんでお寺ってお香の香りがするんだろう。少し考えて、変な疑問かもしれないと思った。そもそも香木は仏教とともに日本に伝来したのではなかったか。
わたしは時間はあるけどお金はなかった学生時代、カフェも映画も美術
冬のはじまりは雨上がりの匂い
晴れていた空がみるみるうちに暗くなって、地響きのような雷が落ちた。とたんに風が吹き荒れて、ぼつぼつ鳴っているのは何だろうと思ったら地面や屋根に打ち付けられている雨で、びゅうびゅう水がガラスを流れていき、また閃光。地響き。横殴りの雨。
あー、ぶりおこしだ。
こんな嵐に子どもを迎えにいくなんて嫌だなあ。思っているうちに雨は止んで、すっきりした青空がのぞいた。外に出ると、街はみずみずしく洗いたてとい
離乳食は出汁の香り おっぱいとダシのシームレスな関係
おっぱいとダシは繋がっている。こう聞いてピンとくる人はどれくらいいるだろう。
夜から昆布を浸しておいた鍋を火にかけて、沸騰したらかつおぶしを投入。ひらひらのリボン状のものが、ふああっと動いてしゅんっと縮んで、良い匂いが立ちこめてくる。火を止めて漉して、とれたての出汁で人参を煮る。
離乳食をつくるのだ。
子どもが乳だけを飲む期間は思いのほか短くて、生後約半年、やっと授乳に慣れて落ち着いてきた頃
世界の 秋は金木犀の匂い があるところ
廊下に出ると、ひやっとした冷たい空気と一緒に、甘さがふわっと香った。甘さと、木から揮発される何か良さそうなものが混ざった匂いだ。吸うと身体がなかからまるごと洗われる気がして、何度か深く息をした。
廊下は扉を開けっぱなしの洗面所と繋がっていて、匂いはそこの、雨の日以外は開けている窓からきていた。住んでいる集合住宅の後ろには、木の生い茂った広い庭のあるお屋敷があって、雨上がりや早朝など、空気中にたく
赤ちゃんのうんちはヨーグルトの匂い
子どものつむじは甘い匂い − 太平洋側育ちの日本海側子育て記 −
抱っこをしたり、着替えをさせたり、歯を磨いたり。小さい子どもの頭はよくわたしの鼻の下にあって、それが発する匂いは、なんとなく甘い。
富山で1歳女児を育児中の湘南出身ライターが綴る暮らしと子育ての話。
前回の記事:ゆびさきから苺、ときどきブリの匂い
友人と、娘のうんちを嗅ぎあった日生後約半年、乳だけを飲んでいた頃の娘のう
ゆびさきから苺、ときどきブリの匂い
子どものつむじは甘い匂い − 太平洋側育ちの日本海側子育て記 −
抱っこをしたり、着替えをさせたり、歯を磨いたり。小さい子どもの頭はよくわたしの鼻の下にあって、それが発する匂いは、なんとなく甘い。
富山在住・1歳女児を育児中の湘南出身ライターが綴る、暮らしと子育ての話。
前回の記事:春は沈丁花の匂い
部屋にただようフルーティーな香り。なんだかいい匂い。みずみずしさがあるよね。辿ってい