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雑考・メモ・日記

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#詩のようなもの

詩・散文「二匹のどじょう」

詩・散文「二匹のどじょう」

二匹のどじょう

二匹のどじょうが二匹のどじょうが 
右にくねくね左にくねくね 
とびあがってぴょん
そして再び水の中 

二羽のちようちょが弐羽のちょうちょが
空にのぼらずひらひらふわふわ
地にもおりずにぴたり 
菜の花にとまって菜の花になった

二人の子どもは二人の子どもは  
くるくるくるくる追いかけっこ 
どっちが追いかけてるのかわからなくなってじゃぶじゃぶ 
河を渡って二度と戻って来なか

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雑考・日記・メモ「いただきますの嘘」

雑考・日記・メモ「いただきますの嘘」

いただきますの嘘

私に食われた者たちは決して私を赦してくれないだろう。

それは私が何れ死に、数多生き物の糧となる、そういう命の循環を説いてさえ赦してはくれないだろう、だとすれば、私が生きるために命を食らう事への感謝の念とか、それを言葉にして食事の毎いに命を「いただきます」等言う事は、自己欺瞞に過ぎない。本当に命を食らう事に咎を感じるのならば食わなければいいのだから、そんな文句を百万回唱え海より

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詩・散文「Natural born killers」

詩・散文「Natural born killers」

Natural born killers

誰かとつながり生きている支え合って生きている
喜びを分かち合ったり悲しみを拭いあったりと
それはとても素敵なことなのだ
と同時に例えばそれは
一匹の蝶の羽ばたきがその地球の裏側で台風を引き起こす因子の一つでもあるように
例えば私の些細な振る舞いは
遠く何処かで知らない誰かを踏みにじり傷つけ殺しているに違いない
環境と共に在り関係の網の目の中に生きるとはそ

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雑文・日記・メモ「誰にも知られない花」

雑文・日記・メモ「誰にも知られない花」

誰にも知られない花

誰にも知られずに芽吹き花咲き萎れ枯れていく花は、果たして存在したのだろうか。
私はしなかったとおもいます。
もしこれが正しいならば、在るがままの自然と言われるものは嘘になる。
現象する自然は、必ず人為に依ってその様態が定まり顕在化されるのであろうから(→シュレーディンガーの猫)。

だから私は「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう(レヴィ=ストロース)」とは、私

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哲学・日記・メモ「故郷のこと」

哲学・日記・メモ「故郷のこと」

故郷のこと

上京して夢果たせず、何十年を経て故郷に帰ってきたが、そこは故郷ではなかった。

確かに地理的にはそれはそこにあったし、文化風習は暮らしの中に残っていたが、そんなものは私の故郷ではなかった。

その「土地・地域」に私の故郷はなく(だからと言って普遍的な「大地」を故郷と呼びたいわけでもない)、私にとってのそれは、

あの日遊んだ犬であり、あの日殺したコガネムシであり、夏の空に湧く入道雲で

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詩・散文「赤猫」

詩・散文「赤猫」

赤猫

〇猫、夕日を見ているの?
●まさか、西を向いているだけさ。
〇あら?寝ころんだ。
●寝そべった。
〇そうしてじっとアスファルトの熱を体に吸い込んでいる。
●最後の温もりを味わいながら。
〇猫、ないている?
●どうして?
〇わからない。でも、睫毛がキラキラと濡れているみたい。
●錯覚さ。
〇でも、私の影はこんなにも伸びてゆらゆらと・・・
●揺れている?
〇1ミリの厚みもなく。
●幽霊みたいに

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詩・散文「夢さえ見ずに眠りたい」

詩・散文「夢さえ見ずに眠りたい」

夢さえ見ずに眠りたい

あそびはやがてあきるが、あきる事にもあきた時、私はもうどうでもよくなるのだろう。

「あそびたい」はまだ「あそびたい」という欲求を目的としているが、この目的を契機として「あそび」に没入している時、「あそび」にはもう目的はなくなっているのだろう。
しかし目的なき「あそび」は永続する事は無くやがて「あきる」。
そして「あきる」とは「もうこのあそびを止めにしよう」という目的の残照

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詩・散文 「沈黙時代行」

詩・散文 「沈黙時代行」

埴谷雄高『死霊』もしくは大友克洋『アキラ』へのオマージュとして1997年に書いたもの

沈黙時代行

やがて世界が真っ平になる日に、大地をびっしりと隙間なく埋め尽くした声ならぬ声の一つがついに口を噤む。ぽっかり空いた闇一点。もしかしてそこがメビウスリングのTurning point だとしたら、迷わずその暗闇に突入せよ!そして可能性に賭けてみるがいい。正負の反転したそれぞれの宇宙が互いの宇宙史を全

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詩・散文 「ガラパゴスさん」

詩・散文 「ガラパゴスさん」

「ガラパゴス化」という汚名からガラパゴスを掬い上げる事。そして、人は関係の中に在る。関係の中で生きている。というのは重々承知の上で尚、ガラパゴスさんであろうとする事。それは一体どういうことなのか?と言う事。そして、そのような問いを何故私は問わねばならないのか、という事。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガラパゴスさん日本は島だ
地球は島だ
私は島だ
何もかもがき

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詩・散文 「野菜をそだてる」

詩・散文 「野菜をそだてる」

「自然」はいい。「じねん」もいい。                 だがしかし。それを良しとする事と、そのことを徹底して問い直してみる事は、全くの別の問題なのだ。別問題であり且つ最重要な問題でもある。とするならば、下記の「○○」にはどんな語彙をあてがえばいいのだろうか?
ちなみに。
私は桜より白木蓮が好きです。双花ほぼ同時期に花咲くのだけれども、白木蓮の方が断然好き。
「花の美しさ」には私は関心が

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