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もしドリカムの「大阪LOVER」が古典和歌だったら

カラオケで絶対に盛り上がるドリカムの名曲、「大阪LOVER」。

特に関西に住んでいる人なら、カラオケで誰かが歌っているのを一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?

今回はこの曲を和歌にしてみることに!


まずタイトルに地名が入っている時点で私が考えたのは、「歌枕(うたまくら)」を入れない手はない!…ということです。

あれ?「歌枕」ってなんだったっけ??
…と思った方のために簡単に説明すると、昔から和歌でよく題材にされてきた名所のことですね。

日本には景色の美しい場所や珍しい地名がたくさんあるので、「歌枕」も全国に数え切れないほど存在するのです。


大阪の歌枕「難波(なには)」

大阪にある歌枕といえば、「難波(なには)」が一番有名ではないでしょうか?

現代でも「難波(なんば)」という地名で親しまれていますし、「なにわ男子」なんてアイドルグループもいるほどですからね…!


この「難波(なには)」は、大阪市の海沿いにあります。

近辺の海には、海路の標識となる「澪標(みをつくし)」が立てられていたことから、「身を尽くし」と掛けて和歌に詠まれることも多かったのです。


「大阪LOVER」は、大阪に住んでいる彼と結婚して、自分も大阪府民になる覚悟だ!と大胆に愛を伝える歌。

「身を尽くし」という言葉、意味もぴったりなのでは!?と、思わず感激してしまいました…!笑


ちなみに大阪市のマークは、今も「澪標」がモチーフになっているんですよ!


「難波」「澪標」の入った和歌

「難波」の歌枕とともに「澪標」が詠まれている、私の大好きな和歌がこちら。

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ(元良親王)

「後撰和歌集」より

偉い人の妻を寝取ったことがバレて大変なことになっちゃった。
今となってはもう同じ!身を尽くして君に会いにいくよ!!

…と、開き直りも甚だしい一首ですね。笑

今回は、この和歌の第三句と第四句のフレーズをそのまま拝借しました!


「大阪LOVER」はUSJとのタイアップ曲

この「大阪LOVER」という曲、USJのアトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」のために書き下ろされたのだそう。

ハリドリ、懐かしい!
私も大学時代に年間パスを買って何度も乗りに行きました…。


USJといえば、立地も海のすぐそこ。
図らずも、「澪標」を詠むにはぴったりの曲だったのではないでしょうか!?



はらからに 別れを告げて 難波なる
みをつくしても 君に添はばや


※解説は冒頭のインスタ参照


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