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コンピュータも人も、『スループット』と『レイテンシ』がポイントなのではないか

コンピュータの世界では、単位時間当たりの処理量を表す『スループット』という言葉が使われます。

スループットとは、機器や通信路などの性能を表す特性の一つで、単位時間あたりに処理できる量のこと。ITの分野では、コンピュータシステムが単位時間に実行できる処理の件数や、通信回線の単位時間あたりの実効伝送量などを意味することが多い。

これを仕事に例えるなら、スループットが高い人ほど効率が良く、短時間でより多くの仕事ができるわけです。


ではスループットを高めるためにはどうすればよいでしょうか?
それには、
①処理能力(スペック)を向上させる
②遅延(レイテンシ)を減らす
という2つの方法が考えられます。


コンピュータシステムの場合、長く使っていると機器の経年劣化により速度が低下したり、不要なファイルが溜まってムダな処理が増えたり、通信規格が古いままの機器がボトルネックで全体の通信速度が伸び悩んだりと、複合的な要因でスループットが低下します。
そこで、処理能力(スペック)の高いシステムに刷新することでスループットの向上を図ります。

人に置き換えると、能力開発を行ってより仕事ができるように育成するという考え方です。能力開発には、同じ仕事を何度も経験して慣れることで処理の効率化を図ることや、まったく新しいスキルを身につけて効率を上げることも含みます。
ただ方向性としては「その人の能力をアップさせる」ことに意識を置くということです。


一方、コンピュータシステムでは遅延(レイテンシ)を減らす方法もよくとられています。
例えば、サーバと端末との間でやり取りを行う場合に、単体でどんなに性能を上げても、通信速度が遅くて相手の反応がなかなか返ってこないと全体の処理量は増えません。通信回線をより速いものにしたり、データ変換の手間をなくすなどの方法で遅延を減らせば、結果的に全体の処理量が増えるということです。

これを人に置き換えると、お互いのコミュニケーションや認識にずれが生じていると、全体的に処理が落ちてしまいます。
例えば日本語と英語でリアルタイムに通訳しながら会話する場面を想像すればわかります。翻訳のための間ができてしまい、同じ言語同士の会話のようなスムーズさはありません。どちらかの言語で話したり、事前に必要な情報は変換しておくなどの工夫をして遅延を減らすことが、スループット向上になるわけです。
これは一人だけの問題ではなく、チームや組織としての流れをよくするという考え方につながります。これを組織開発といいます。


つまり、
①処理能力(スペック)を向上させる = 能力開発
②遅延(レイテンシ)を減らす = 組織開発

と考えられます。

そしてこの両方を組み合わせて取り組むことで、単位時間あたりの処理量であるスループットを向上させることができます。これこそが『働き方改革』になのではないでしょうか?


そこでわたしたちがすぐにできることを考えてみましょう。

  • 自分が担当する仕事の知識やスキルを磨く

  • 効率的な進め方はマニュアル化や自動化して、誰でもできるようにする

  • 仕事の手順を見直し、ムダを減らす

  • 組織内のコミュニケーションを増やして、情報の停滞をなくす

  • 先延ばしにせず、すぐにやる

  • 一人ひとりの判断基準を組織の基準に合わせる

  • 誰かに仕事の偏りが出ないよう、周囲でサポートする

ざっと挙げただけでも、これくらいのことは思いつきます。

これって・・・「不の解消」だね。


わたしの専門分野であるITでも、スループットやレイテンシというキーワードで捉えると、やっぱり「不の解消」がポイントになってくるんですね。

しばらく学びが止まっていたので、そろそろ再履修しなくては(汗)





明日も佳き日でありますように



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