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うっとりするような小さな奇跡

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#greentea

“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

「茶」は、読んだり教えられたりして理解したり、出来るようになるモノでもない。

私の仕事は、ただの文化の遺伝子の運び屋だ。それが誰かの茶沼に嵌るきっかけの一つになれば幸い。一見無意味に思われがちだが、真剣に茶と向き合うのも仕事のうちだ。そして、粛々と伝えて使命を果たすだけ。

“虚の部屋で茶を啜る事は一つの宇宙で、大なるものと小なるもの双方を感じる事である。それは美でもあり又一つの道である

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翡翠色の時間

翡翠色の時間

雨が降ってきたので
○○雲霧みたいな緑茶を飲もうかなと選んでいたら、ふわ〜っと扉が開いた。
白銀の光の中にすらりとした影。

埋めようもない「穴の空いた心」を見えないように包んで。
置いて逝かれたお茶を携えてご来店された。

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2018/9/23

2018/9/23

秋分
あの世とこの世が繋がる日
「目に見えない世界」もまた
この世の半分

晴れの日も雨の日も嵐の夜も
転がりながら泥だらけ
お風呂に入って
さっぱりしたら
また行こう
風に吹かれてコロコロ転がり
そのうち身体はすり減り 消えて無くなり
いっちょ上がり

いつものお茶を
いつものように
それぞれに #傍らにお茶 #傍らに本
穏やかな空気が流れる #下午茶
その後、この公道杯はあの世に逝かれ

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2018/2/27

木の芽風
下午茶
#太平猴魁 2017
缶を開けると、以前訪れた、しとしと雨なんだか霧なんだか、ず〜っと濡れている安徽省黄山の太平猴魁を作る村の製茶小屋の、埃っぽいようで雨のような、それでいて製茶している匂いがしている。

不快指数も高く、しとしと茶畑への山道を上を下へと、ちょっと滑ったりしながらクタクタでドロドロで着いた村には、決して明るくない日常が広がっていた。ざわざわとして、働く人達や、お

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