『人新生の「資本論」』を思い出して
感染症に戦争に自然災害で不穏だから『人新生の「資本論」』を読んだのは2022年の三月ごろ。
2019年にバルファキスの『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』を読んで、あたりまえだと思っていた世の中の経済活動に疑いの目を持つようになったからだった。単純である。
マルクスの『資本論』という古典を再評価する動きがあるらしかった。ところがマルクスはすっかり忘れ去られた存在になっていて、新しい文献も専門家もおらず、学ぼうとする学生もいないような状態が