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父が娘に語る経済の話。

たいてい本は図書館で借りて読むのだけど、この「父が娘に語る、美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」は、2019年の4月にめずらしく購入して読んだ。当時すでに話題の本だったと思う。

わたしにとって経済というのは縁遠いもので、これまでほとんど考えたことがなかった。いつも苦労している家計もまた経済の一部分であるということも意識したことがなかった。
家計が苦しいのは、身の丈に合わない贅沢をして貯金を怠ってきた自分が悪いと思い込んでいたふしがある。

ところがあんまりどうにもならない気がしてきて、あるとき著者の娘と同じように「どうして世の中にはこんなに格差があるの?」と思うようになったのがこの本を手にしたきっかけだったと思う。

まだ当時の日本はコロナ直前で、ギリシャの経済破綻も遠い国のできごとで、貧困や格差も海外ほどひどくない。日本はまだまだだいじょうぶ的な空気があった。今のように賃金が上がらない安い国という自覚もなかった頃だ。それでも今思うと、なんだか嫌な予感がするという人も少なくなかったのかもしれない。

コロナやウクライナ侵攻や旧統一教会、温暖化による自然災害など、あれよあれよと災いが重なり、いよいよ日本もやばいんじゃない? って感じになってきたこの頃になって、この本があちらこちらで紹介されているのを見るようになった。

見たくないこともちゃんと見て知っておいたほうがいい。そうしないとまともなリスク管理はできない。
そのための一歩として、この本はタイトル通り美しいかどうかはともかく、わかりやすくていい本である。


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