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「損切丸」- 信用リスク編

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「損切丸」から、「デフォルト」リスクに焦点を絞って、危機時の「信用リスク」について書かれた記事群。
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2020年8月の記事一覧

「コロナ後」→「物価」と「金利」は上昇? ー 「CPI」「CDS」「実質金利」等からの考察。

「コロナ後」→「物価」と「金利」は上昇? ー 「CPI」「CDS」「実質金利」等からの考察。

 「損切丸」では元・金利の専門家として「実質金利」の考察を続けている。特に表に出にくい「物価要因」をCPI(消費者物価指数)、「信用リスク」をCDS(Credit Derivative Swap)を元に「実質金利」を算出している。

 これが「コロナ前」の1月はこう ↓ だった。

 ほんの半年前、主要8カ国の「実質金利」は@▼0.75%~▼2.03%で全てマイナス金利。つまりどの国も低金利政策を

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溢れかえる「お金」は一体どこへ向かうのか?

溢れかえる「お金」は一体どこへ向かうのか?

 6月 1,265億ドル - 20年ぶりの高水準。

 7月  986億ドル

  8月  655億ドル - 10年ぶりの高水準

 ↑ 企業が世界で新規株式公開(IPO)やハイイールド債発行等で調達した金額は6~8月で2,906億ドル(約30.8兆円)にも上り、記録的なハイペース。お金が溢れかえっている現状、安く仕入れておきたいのだろう。

 特になりふり構わぬFRBの資金供給姿勢が目に付

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はっきりしてきた「実質金利」上昇。 -「信用リスク」「デフォルトリスク」低下+「名目金利」上昇。

はっきりしてきた「実質金利」上昇。 -「信用リスク」「デフォルトリスク」低下+「名目金利」上昇。

 各国の「実質金利」=「名目金利」-「物価上昇率」-「信用リスク」を追ってきた「損切丸」だが、ここにきて明確なトレンドが生まれつつある。

 「信用リスク」の指標であるCDS(5年)。今年の3月のように株価が急落して「ヤバい」感じになるとスプレッドが拡大して国債などの金利を押し上げる。これも「金利」の一面には違いないのだが、一般に言われる物価や景気に連動した「金利」とは違う動きとなり、その区別がつ

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「イールドカーブ」の読み方 - 「金利」が発する ”メッセージ” 。

「イールドカーブ」の読み方 - 「金利」が発する ”メッセージ” 。

 パウエルFRB議長の「インフレ容認発言」から1日、一時@0.80%近くまで上昇していた米10年国債金利も@0.72%まで低下するなど動きが出てきた。良い機会なので今回は少し専門的なことを突っ込んで書いてみよう。

 「コロナショック」で株価が急落した3月から現在に至るまで、4日をポイントに取って動きを解説してみよう。

 3月18日 ー 市場にショックが起きて、銀行、企業、投資家などが手元現金を

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