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歳時記を旅する45〔聖夜菓子〕後*オリオンを見上げつ湯浴む去年今年

 磯村 光生
(平成三年以前、『花扇』)
『新約聖書』では、イエスがベツレヘムで誕生した後、東方の博士たちは、新しい星が見えたときユダヤの新しい王が生れたことが分かりエルサレムに旅する。途中、ヘロデ王に「ユダヤの王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方で、その星を見たので、その方を拝みに来ました。」と尋ねた。
この星がベツレヘムの星で、クリスマスツリーの上に光る星はこれを表している。
 ヨーロッパなどでは、クリスマスツリーは、三人の博士たちが幼子イエスを訪ね、黄金、乳香、没薬を贈ったとされる一月六日まで飾られる。
 句は「伊豆のホテルに出稼」の前書きがある。遠い星を見て、自己の一年、自己の一生の物語を思い描いているよう。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和五年十二月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)

☆同じ作者 磯村光生 のクリスマスの句です。合わせてどうぞ。



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