歳時記を旅する 21〔クリスマス〕後*ポインセチア婚の捺印あかあかと
磯村 光生(平成三十年、『花』)
メキシコのお話。
マリアとパブロという幼い姉弟がいた。
あるクリスマス・イブ、二人は教会のミサに向かう途中、イエスの贈り物にするために、道端にある雑草を摘んでいく。
それを見た他の子供たちにはからかわれるが、貧しい二人には贈り物を買うお金はなく雑草を贈るしかなかった。
マリアとパブロが教会でイエスにその花束を捧げると、奇跡が起こり、緑の葉が光り輝く真紅の星の形に変わる。
そしてその時から、花の名は〝聖夜の花〟と言われるようになったとのこと。この花がポインセチアだという。
クリスマスカラーの赤は、十字架にかけられたイエス・キリストの流した血の色。
句の印影もまた色を添える。
(岡田 耕)
(俳句雑誌『風友』令和三年十二月号 「風の軌跡―重次俳句の系譜―」)
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