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お皿から拡張していく哲学。

クリエイティブやマーケティングについての考察を書き溜めるぞー!と思って始めたこのnote。
気づいたらごはんのことばっかり考えている私です。すみこ(@oiz_m_o)です。

だってごはんってとってもクリエイティブなんだもの! 


ということで今日もごはんの話をしようと思うのですが、その前に私が学生の頃にとても影響を受けた「ヨーゼフ・ボイス」というアーティストをご紹介させてください。
 


学生時代、クラスみんなで美術館にボイスの展示を見に行ったのですが、彼の創作物はフェルトや脂肪で固められたピアノ、椅子、死んだウサギ、謎に塗り固められた部屋の隅っこ…(?)など。

なんじゃこりゃ?なのです。


アート作品を作るときに、表現者は「medium」は何にするか、という事を考えます。
「medium」とは「媒介」という意味で、絵画であれば油彩や水彩、色鉛筆やクレヨン。彫刻であれば、石や木の材質。その他にも、動画や写真、音楽、植物、トイレットペーパーや便器まで、表現したいものによってmediumは変わります。

ボイスが表現するために選んだmediumは、フェルトや蜜蝋、死んだウサギや野生のコヨーテ、そして政治活動や社会運動でした。

ボイスは自身の生み出す作品のことを、アートではなく「社会彫刻」だと言っていました。

社会を彫刻する。内なる思考を彫刻するのだ、と。
芸術という概念を「拡張」するのだ、と。


かの有名なパブロ・ピカソも、「芸術は飾りでははなく、戦うための武器である」という名言を残しているそうです。 


mediumって、そのmediumを使って「何を表現したいのか」という表現者の思想や哲学と、ものすごく密接に繋がっている。
mediumには決まりはなくて(”お作法”はあるけど)、「何を表現したいのか」に基づいて「どう表現するか」を、表現者が考えて選んでいくことが大切なプロセス。 


私にそれを強く思い出させるのが、「イノベーティブ・フュージョン」と呼ばれているお料理の世界です。

イノベーティブ・フュージョンとは:
2013年度からミシュランガイドにも正式登録されている料理カテゴリ。
国籍や伝統的な調理方法にとらわれず、シェフの自由な発想やオリジナリティーを取り入れて、新しいスタイルに進化した料理スタイルのこと。

なかなかお高いお店が多いからね、そんなに頻繁に行くことは出来ないのですが…笑
たまに行くことが出来ると、いつもワクワクと楽しい食の体験が出来るからほんとに好き。 


これとかすごくない?
もう、サワガニだよ!(そう、サワガニだよ!)


前職で外食の会社に勤めていたとき、社長がよく「お皿の上のクリエイティブをするな!」と言っていました。

お皿の上だけの、表面上の「美味しい、キレイ」を目指すな。その先にある素材や産地までを思い描きなさい。
という意味で、とても印象深くて好きな言葉です。 


私がイノベーティブ・フュージョンなお店の料理から感じるのは、さらにその先。

素材や産地、流れる時間や季節を、胸いっぱいに吸い込んで。
和食、フレンチ、イタリアン、中華…世界中のシェフたちが永い時間をかけて研ぎ澄ましてきた「料理」というmediumを介して、「提供者は何を表現しようとしているのか」。 


以前はこうしたレストランは「フュージョン」と言われていたそうですね。

フュージョン=融合。
イノベーティブ=革新。

世界が近くなり、それぞれの地域で洗練された料理が少しずつ融合して、新しい表現が生まれて「拡張」されていく。 


美味しくて楽しいにプラスして、シェフの思想や哲学を全身で感じることができる新鮮なひとときが、私はとても大好きなんです。 

・・・

あっという間に2019年も半分が過ぎようとしていますね。
残りの半年は、美味しいごはんを食べながら、価値観や表現方法について、もっともっと自分の思考を研ぎ澄ませる時間をたくさん作りたいな。

ということで、価値観を拡張するクリエイティブなディナーに一緒に行ってくれる人、絶賛大募集中です☆ 


いま一番行きたいお店。代々木上原の「sio」さん!

#朝渋 」にも登壇されるとのことで。早起きしていってみようかな。起きれるかな…笑


素敵なお店を知ってる方、ぜひ教えてくださいませ :)


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