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メロンパン〜卒業〜|エッセイ

最寄りにメロンパン屋がある。

だが、コロナの影響か
メロンパン屋がパン屋に
リューアルオープンすることとなった。

私がこの地に越してきた時には
既にあったので、
10年くらいは続いているであろう
メロンパン屋がついになくなる。

パン屋にリューアルとなると
別の会社が経営するかもしれないので
あのメロンパンはもう
食べれなくなってしまうのではないか。
そう考えるようになった私は、
おすすめされても食べない存在であった
メロンパンを毎日のように買うようになった。

メロンパンのお味はというと、
しっかりと美味しく、
このお店がなくなるのか…。
と残念な気持ちに襲われた。
なぜ今まで私はメロンパン屋に
貢献してこなかったのだろうか…………。


そして悲しい別れがやってきた。
メロンパン屋は閉店し、
1ヶ月後にパン屋として
生まれ変わってしまった。


泣けちまうな…と思いながら
店内に入ってみると
なんと、

6割メロンパン、4割その他のパンが
陳列されていた。
これはもう、メロンパン屋である。

私は、チキショウ、騙された………!
と思ったが、
同時にまたメロンパンが
食べれることに安堵した。
しかし、美味しいものの
別に好きではないので
それ以降メロンパンを買うことはなくなった。


それから3ヶ月ほど経った頃、
今度は閉店セール!!の貼り紙が
窓一面に貼られていた。

自分がメロンパンの購入を怠ったから
パン屋になっても経営がうまく行かなかったんだ…。と私は前回よりも深く反省した。

今度こそ本当に食べれなくなると思い、
またしても閉店までの間
メロンパンを買うようになった。

だが、
願いは届かず、
今度こそ本当にパン屋は閉店した。

メロンパンの最後は非常に
あっけないものだったーー・・


次は何ができるのだろう。
と思いながら暗い店内を覗き帰宅する
習慣がついた頃、店に灯りが。

中を覗くとなんと、

6割がメロンパンの
前回と全く変わらないパン屋だった。

私は、
チッッッッッキショウ、また騙された!!!
と思った。

閉店セールを繰り返すなんて、
怪しい服屋や雑貨屋だけだと思っていたが、
私の考えが甘かったようだ。

こうして私はまた
メロンパンを買わなくなった。

さはら
1997年9月生まれ
ハーフ
座右の銘は晴耕雨読
万年フリーター

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