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健康経営と幸福経営、何が違う?

ここ数年で、従業員の健康や幸福に対する企業の関心が大きく高まりました。

「健康」と「幸福」。両者は関連性があるものの、経営視点で考えるとどんな違いがあるのでしょうか?


健康経営は、従業員の健康に投資することで企業の成果や競争力につなげる経営手法


両者に共通する要素は、従業員の心身的な健康を向上させ、能力を最大限に引き出し、企業の成果と競争力向上に結びつけるという点です。ただし、経営視点では、両者には違いが存在します。

「健康経営」は、主に従業員の身体的な健康に重きを置き、従業員の健康管理や健康増進に投資することで、企業の生産性や企業価値を向上させる経営手法です。例えば、健康診断の実施、ストレスチェックの全社的な導入、健康教育の提供などが該当します。

健康経営の起源は、1980年代のアメリカにさかのぼります。従業員の健康と生産性の間に関連性がある研究やデータが出始め、米国の経営学者であるロバート・H・ローゼン氏が著書「The Healthy Company」を1992年に発表したことで健康経営の考え方を提唱したことで一層広まりました。

では、これら健康経営と関連する幸福経営は、どういった経営手法なのでしょうか?


幸福経営は「全てのステークホルダーの幸福追求」を目指した経営手法


健康経営とは異なり、幸福経営は「誰のどんな状態を幸福と捉えるか?」によって異なる解釈が存在します。

解釈として多いのは、従業員の精神的な充実感や社会的な幸福感に焦点を当てたアプローチです。たとえば、職場環境の改善、働きがいの向上、従業員の能力開発やキャリア形成支援などが該当します。

ただし、これらのアプローチは通常「従業員」を対象としたものです。従業員だけでなく、顧客、取引先、株主、地域社会など、企業に関わるすべてのステークホルダーの幸福を追求する場合もあります。

この場合、取るべきアプローチは異なります。従業員向けの施策に留まらず、社会貢献活動、事業を通じたサステナビリティの推進、ESGに関する社外とのコミュニケーションなどが含まれることがあります。このように、幸福の対象範囲をどう定めるかによって、必要なアプローチが異なることがわかるでしょう。

ここまで、健康経営と幸福経営の違いを見てきました。健康経営は主に「従業員の心身的な健康」に焦点を当てますが、幸福経営はこれに加えて「精神的な充足感や社会的な幸福感」も考慮し、場合によっては全てのステークホルダーの幸福追求まで範囲を広げることがあります。これら推進には、こうした共通要素と違いを理解することが大事でしょう。

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